世間では博士論文の「コピペ疑惑」で騒がしいが、もちろん独自の研究で論文を書き上げ、博士号を手にした人が大多数だろう。ところが、苦労して学位を手にしても、就職先がなかなか見つからないというのだ。 大学や研究機関に勤めたくても、そこは狭き門。一般企業は、博士の採用にあまり積極的ではないそうだ。実態は好転するだろうか。 国の見通し甘く博士号取得者の採用枠広がらず 文部科学省が発表している最新の2012年度版「学校基本調査」では、博士課程修了者の就職状況に触れている。このうち正規の就職者は52.5%にとどまっている。修士課程修了者の70.1%と比べると、差は大きい。また正規の職員でない者は14.8%、一時的な仕事が5.3%となり、2割ほどが仕事は見つかっても不安定な状態に置かれていることがわかる。進学も就職もしていない割合は18.5%に達する。2割弱が博士号をとりながら「無職」を余儀なくされている