3年目を迎えた宮本体制では最高順位のリーグ2位でシーズンを終えたガンバ大阪。ホームで行われた最終節は、その時点で最下位の清水エスパルスに0対2で完敗を喫し、有終の美を飾れなかったが、1万5252人の観衆は新たな逸材のトップデビューを目の当たりにした。 リーグ最多失点の守備陣相手に決定機を作りきれず、敗色濃厚だった後半35分すぎのことだ。 ガンバ大阪のサポーターから驚きに似た歓声が湧き上がる。宮本恒靖監督に呼ばれて、途中出場の準備を始めたのは3日前の横浜FC戦で初めてトップチームのサブメンバー入りを果たしたばかりの中村仁郎だった。 「どんどん顔を出してボールを受けて、攻撃しろ」 指揮官から檄を飛ばされてJ1デビューを飾った17歳は、後半36分からトップ下のポジションで得意のシザースやドリブルを披露。ゴールこそ逃したものの鋭い枠内シュートも放つなど、明らかに攻撃の流れを変えてみせたのだ。 高校