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ブックマーク / number.bunshun.jp (26)

  • 家長昭博、堂安律…“ガンバ逸材レフティ”の系譜 高校2年でJ1デビュー中村仁郎が受け継ぐDNAとは(下薗昌記)

    3年目を迎えた宮体制では最高順位のリーグ2位でシーズンを終えたガンバ大阪。ホームで行われた最終節は、その時点で最下位の清水エスパルスに0対2で完敗を喫し、有終の美を飾れなかったが、1万5252人の観衆は新たな逸材のトップデビューを目の当たりにした。 リーグ最多失点の守備陣相手に決定機を作りきれず、敗色濃厚だった後半35分すぎのことだ。 ガンバ大阪のサポーターから驚きに似た歓声が湧き上がる。宮恒靖監督に呼ばれて、途中出場の準備を始めたのは3日前の横浜FC戦で初めてトップチームのサブメンバー入りを果たしたばかりの中村仁郎だった。 「どんどん顔を出してボールを受けて、攻撃しろ」 指揮官から檄を飛ばされてJ1デビューを飾った17歳は、後半36分からトップ下のポジションで得意のシザースやドリブルを披露。ゴールこそ逃したものの鋭い枠内シュートも放つなど、明らかに攻撃の流れを変えてみせたのだ。 高校

    家長昭博、堂安律…“ガンバ逸材レフティ”の系譜 高校2年でJ1デビュー中村仁郎が受け継ぐDNAとは(下薗昌記)
  • J3から這い上がったガンバ福田湧矢。東福岡の先輩・宮原裕司の金言とは。(下薗昌記)

    12月7日のJ1リーグの最終節。後半終了間際にピッチに送り出された福田湧矢はアウェイの埼玉スタジアムで、待望のJ1初ゴールを叩き込んだ。 有終の美を飾る形で、プロ2年目のラストマッチを終えた20歳のアタッカーは、初ゴールから3日後、シーズンオフの過ごし方をこう話していた。 「オフもとにかく動きます。実家の近くの公園で弟たちと一緒にね」 今や堂々たるプロ選手ではあるが、どこかサッカー小僧の面影も残している福田らしいプランだったが、このとき嬉しいサプライズが彼を待っていることは知るよしもなかった。 年の瀬の28日に行われるキリンチャレンジカップU-22ジャマイカ代表戦に、追加招集で名を連ねたのだ。 高校サッカー界の雄、東福岡高校で10番を背負いその名を轟かせていた福田だが、世代別代表への招集は初。ごくありふれた公園で自主トレに励むつもりだったJリーガーを待っていたのは、東京五輪を目指す同世代の

    J3から這い上がったガンバ福田湧矢。東福岡の先輩・宮原裕司の金言とは。(下薗昌記)
  • ガンバのクルピ解任は「人災」。再建チャンスの中断期間をフイに。(下薗昌記)

    「いつか来た道」の入り口にガンバ大阪が立たされている。 巻き返しを目指すはずだったJ1リーグの再開後、サンフレッチェ広島と清水エスパルスに連敗。16位という危険水域から抜け出し切れない現状に、ガンバ大阪は禁断のカンフル剤を打つことを選択した。 清水戦の翌日となる7月23日、関西大学サッカー部と行った練習試合はサブ組中心で7-0と圧勝したが、この試合がレヴィー・クルピ監督にとってのラストマッチ。クラブは、ブラジル人指揮官の解任を決定し、ガンバ大阪U-23を率いる宮恒靖監督を後任に決定したのだ。 クラブ史上初めてとなるJ2リーグ降格の憂き目を見た2012年。やはりブラジル人監督を早々に解任し、ガンバ大阪の生え抜きだった松波正信氏(現アカデミーダイレクター)をコーチから昇格させる形で指揮を委ねたが、その結末は今更振り返る必要はないはずだ。 今季獲得した矢島は仙台にレンタル。 今季は「奪還」をチ

    ガンバのクルピ解任は「人災」。再建チャンスの中断期間をフイに。(下薗昌記)
  • “ガンバらしい攻撃”は消えたのか。長谷川健太体制、5年間の栄光と影。(下薗昌記)

    ボールを持って崩すか、奪って即座にゴールを目指すか。形は違えど、長谷川体制でも攻撃の迫力は感じさせるものだった。 全ての時代には、その始まりと終わりがある。 ガンバ大阪では10年間指揮を執った西野朗元監督(現日サッカー協会技術委員長)に次ぐ長期政権を築き上げた長谷川健太監督。クラブ史上初めてJ2に降格した2013年に就任し、1年でチームを再びJ1に引き上げたかつてのシルバーコレクターは、昇格1年目に三冠を獲得した。日サッカー史に残る偉業を成し遂げた長谷川監督だったが、クラブは9月7日、5年間指揮を執った名将が今季限りで退任すると発表した。 山内隆司社長の言葉を借りればガンバ大阪を「卒業」する格好の長谷川監督だが、その5年間の功績はやはり、際立っていると言えるだろう。 クラブの歴史における長谷川監督の立ち位置は「中興の祖」である。退任が発表された翌日、クラブハウスで取材に応じた梶居勝志強

    “ガンバらしい攻撃”は消えたのか。長谷川健太体制、5年間の栄光と影。(下薗昌記)
  • 今野に認められ、麻也からも学ぶ。三浦弦太は次代のDFリーダー候補。(佐藤俊)

    9月16日に行われた大宮アルディージャ戦、1-2のまま後半ロスタイムを迎えたガンバ大阪には敗色濃厚の雰囲気が漂っていた。しかしロスタイムも4分が過ぎた時、長沢駿の同点ゴールが生まれて勝ち点1を確保した。それをお膳立てしたのがクロスを入れた井手口陽介、そして相手と競り合って長沢にボールを落とした三浦弦太。2人の日本代表組だった。 「2失点しているのでセンターバックとしては不甲斐ないですが、ラストプレーで得点につながってホッとしました」 三浦は苦笑しながら話した。とはいえ、ガンバ大阪は残留争いの渦中にある大宮に2-2のドローにするのが精一杯だったという事実も残った。順位は7位のままで首位・鹿島との勝ち点差が18に開き、8試合を残してリーグ戦優勝は絶望的になった。 失点の多さが目立つ中で三浦の表情は冴えない。 今季、ガンバの中盤戦以降の失速はかなり深刻だ。例年は春先にエンジンがかからないスロース

    今野に認められ、麻也からも学ぶ。三浦弦太は次代のDFリーダー候補。(佐藤俊)
  • “ケンカ番長”井手口陽介の成長記。遠藤のパス、今野の動きを盗んで。(佐藤俊)

    「あいつ、すげぇな」 オーストラリア戦の帰り、ファンやサポーターが井手口陽介のことをそう口々に語っていた。鋭い出足で相手のボールを噛みつくように奪い、攻撃では勝利を決定づける得意のミドルシュートを披露した。まさにヒーロー的な活躍で、日ロシアW杯へと導いたわけだが、彼はいきなりポンとその試合に出て、輝いたわけではない。 初めて井手口を見た3年前から、彼はただ者ではない雰囲気をプンプンと発していた。 井手口から初めて“違い”を感じたのは、AFC U-19選手権ミャンマー2014に出場した時だった。エース南野拓実を擁するU-19日本代表に井手口は18歳で招集され、川辺駿や坂井大将とボランチのポジションを争っていた。初戦の中国戦は後半から出場すると、続くベトナム戦ではスタメン出場を果たした。 その試合、井手口は高温多湿の中でほとんど止まることなく走り回り、ロスタイムにゴールを決めた。決勝トーナ

    “ケンカ番長”井手口陽介の成長記。遠藤のパス、今野の動きを盗んで。(佐藤俊)
  • 倉田、今野、井手口が光った10分間。ガンバ3人衆は代表の中盤を変える?(佐藤俊)

    シリア戦、唯一の得点は今野泰幸のゴールだった。 後半13分のことだが、この時間帯の中盤はなかなか面白い構成になっていた。 アンカーに井手口陽介、右インサイドハーフに今野、左インサイドハーフに倉田秋がおり、ガンバ大阪のトリオが中盤を占拠していたのである。 前半、日本代表は全体的に間延びし、選手間の距離が遠く、攻撃がほとんど機能していなかった。ところが後半8分、井手口が入ると雰囲気が変わった。「相手を厳しくチェックするように」とハリルホジッチ監督に指示された井手口はボールホルダーにアグレッシブにアプローチし、前後左右に動き回った。それにつられるように全体の動きが少しずつよくなり、今野の得点シーンにつながった。 同点ゴール自体も、ガンバ勢が絡んでいた。 左サイド深い位置をえぐった長友佑都は最初、倉田にパスを出そうとした。だが倉田が相手GKとDFをひきつけたことで、今野がフリーになったのが見えた。

    倉田、今野、井手口が光った10分間。ガンバ3人衆は代表の中盤を変える?(佐藤俊)
  • 堂安律「いやぁ、本当にうまいっすわ」市丸瑞希はU-20の“隠れた天才”だ。(安藤隆人)

    「律、仕掛けろよ!」 U-20W杯グループD最終戦、日vs.イタリアの一戦でのこと。同点に追いつくMF堂安律の圧巻のスーパーゴールを生み出した源は、MF市丸瑞希の強烈なメッセージが込められたパスにあった。 1-2で迎えた50分、縦パスをFW田川亨介がヘッドで落とした瞬間、市丸は首を振って左サイドでフリーになっている堂安の姿を確認していた。 すぐさま右サイドからきた堂安が半身になってボールを要求。 市丸は堂安の足下ではなく、やや前方に速い縦パスを送り込む。 堂安が右足を伸ばしてトラップ。その勢いを活かして素早くドリブルを開始した堂安は、あっという間にイタリアのDF陣3人に囲まれるが、既にトップスピードに乗っていた堂安のドリブルを止めることはできなかった――。 市丸が堂安に送った“メッセージ”とは? このシーン、2人の間にはボールを通じての濃密な“会話”があった。 「ちょうど律がフリーだった

    堂安律「いやぁ、本当にうまいっすわ」市丸瑞希はU-20の“隠れた天才”だ。(安藤隆人)
  • ガンバからついに取り払われた聖域。遠藤保仁、定位置奪回はなるのか。(佐藤俊)

    4月30日のガンバ大阪vs.横浜F・マリノス戦後、誰よりもいちばん早くミックスゾーンに現われたのは、遠藤保仁だった。試合に出ている時は、ゆっくりとシャワーを浴びて最後の方にメディアの前に出て来て、丁寧にメディア対応をしている。 だが、この日はいつもと様子が違っていた。 遠藤は、スタメンではなかった。 前節の大宮戦もスタメンではなく、ベンチスタートだった。この時は4日後に控えているACLのアデレード・ユナイテッド戦に向けての温存と見られていた。そして迎えたアデレード戦、遠藤はスタメン出場したがPKのチャンスを逸し、試合も3-3のドローに終わった。 それがマリノス戦に影響したとは思えない。アデレード戦からは中4日あり、極端に疲れている状況ではないし、人もコンデイションは悪くなかったという。 しかもガンバはマリノスと相性が良くなく(リーグ戦15勝27敗10分)、順位を上位に留めていくためには絶

    ガンバからついに取り払われた聖域。遠藤保仁、定位置奪回はなるのか。(佐藤俊)
  • 驚愕したガンバの新スタジアム。募金140億円で作った“手づくり感”。(二宮寿朗)

    大阪・万博記念公園スポーツ広場内、ガンバ大阪のクラブハウス真横に噂の「市立吹田サッカースタジアム」はある。 10月10日に竣工式を終えたばかりで、筆者が訪れたこの日もどこかの視察団が訪れていた。 噂。 関西に住む馴染みの記者仲間から聞いていた。 「サッカーを観るなら最適やと思うで」「プレミアリーグのスタジアムみたいですよ」 まるで彼らの持ち物かのように自慢していたが、実際に目にしてみて「うわーっ」と思わず声を挙げてしまう自分がいた。 タッチラインまで7m、高低差は150cmしかない。 4万人収容のサッカー専用スタジアム。 何が驚いたかって、とにかく観客席からピッチまでが近い。 距離はタッチラインまで7m、ゴールラインまで10m。それも観客席の最前列からピッチまでの高低差は150cmしかない。プレミアにも引けを取らないほど、プレーヤーに近い目線で試合を楽しむことができる。選手たちの声も聞こえ

    驚愕したガンバの新スタジアム。募金140億円で作った“手づくり感”。(二宮寿朗)
  • 宇佐美貴史を成長させる2人の監督。“お子ちゃま”発言から4日後の意地。(二宮寿朗)

    長谷川健太監督も、きっと目を細めたはずである。 オマーン・マスカットで行なわれたロシアW杯アジア2次予選のシリア戦。1-0で迎えた後半21分、宇佐美貴史は交代の一番手としてピッチに入っていった。 その直後だった。日のCKからカウンターを受け、敵陣からスピードに乗ったドリブルで攻め上がってくる相手に対して宇佐美がピッタリとマークしていく。最後はスライディングで、ボールをタッチラインの外に追いやった。 途中出場のフレッシュな選手がやるべき当然のプレーとはいえ、宇佐美の投入によって日はもう一段階、ギアが入った感じがした。 いい守備は、いい攻撃につながっていく。 宇佐美は香川真司への浮き球のパスで2点目を引き出し、3点目は田圭佑のラストパスを受けて自ら落ち着いて決めた。疲労の色を見せながらもあきらめないシリアに反撃を許さなかったのは、宇佐美の働きが大きかった。 4日前、宇佐美に向けられた“お

    宇佐美貴史を成長させる2人の監督。“お子ちゃま”発言から4日後の意地。(二宮寿朗)
  • ガンバが韓国王者撃破でACL4強!ラスト15分の混戦を招いた強さと脆さ。(吉崎エイジーニョ)

    アウェーゴール方式の妙。第1レグ、第2レグのトータル180分を見通した戦略。国内リーグとの兼ね合い。そして感情。 ACLという大会の魅力が凝縮された戦いになった。 9月16日に行われたアジアチャンピオンズリーグ準々決勝ガンバ大阪vs.全北現代モータース。ロスタイムの米倉恒貴の劇的なゴールにより3-2で勝利したガンバが、ベスト4進出を決めたゲームだ。8月26日に行われたアウェーの初戦を0-0で終えていたため、2試合合計スコア3-2でガンバ大阪が上回った。 宇佐美がいないガンバに対し、戦術をどう変えるか? 宇佐美貴史がピッチにいなかった。これがまず、ゲームを展望するにあたって無視できない点だった。アウェーで行われた初戦でイエローカードを貰い、警告累積で出場停止処分となったのだ。 なにせ、相手のチェ・ガンヒ監督の「対宇佐美対策」の執念たるや凄まじいものがあった。初戦を終えた後、「最も警戒すべき相

    ガンバが韓国王者撃破でACL4強!ラスト15分の混戦を招いた強さと脆さ。(吉崎エイジーニョ)
  • FCソウルに危なげない勝利のG大阪。遠藤保仁が語る'08年以来の手応え。(佐藤俊)

    「相手がどう出てくるかだね。蹴ってきたらこう対処しよう」 キックオフ直前、遠藤保仁と今野泰幸は、そんなことを話し合っていたという。 遠藤は、ACL決勝トーナメント1回戦、敵地ソウルでのファーストレグ、ロスタイムに失った1点が気になっていた。 3-0の完封勝利で終わるのと3-1で終わるのとでは、相手に与えるダメージがまったく違う。相手からすれば次に逆転の可能性を広げたことになるし、ガンバからすると相手に隙を与えてしまったことになる。あの1点が今回ホームでのセカンドレグ、FCソウルの戦い方にどう影響するのだろうか。 試合の入り、勢いはFCソウルにあった。ソウルで最後に奪ったあの1点から、まだロスタイムが続いているかのように前に出て来た。 試合開始直後、遠藤が感じた違和感とは? だが、遠藤は「ん?」と思ったという。 相手は点を取って勝たないといけない。であれば地上戦ではなく、ロングボールを駆使し

    FCソウルに危なげない勝利のG大阪。遠藤保仁が語る'08年以来の手応え。(佐藤俊)
  • ACL、敵地・韓国でまたも3点大勝!柏とは対照的なG大阪の「らしさ」。(吉崎エイジーニョ)

    極めて難易度の高いボレーで1点目を、マーカー2人をドリブルで振り切ってからのニアへのシュートで3点目を決めた宇佐美貴史。1人で決められる男の存在が、守備の安定にも貢献している。 今季ACLの開幕当初を見た限りでは、ガンバ大阪の姿は「Jリーグ勢の典型的なマズい事例」のようだった。 3月3日、グループリーグ第2戦のことだった。アウェーの地で、韓国の城南FCに0-2の敗北を喫した。冷たい雨が降るなかでのゲームだった。筆者自身も現地でこれを取材していたが、敗北の衝撃度はかなり大きかった。 いくらアウェーとはいえ、前年度Jリーグ三冠チームが敗れた相手がよくなかった。城南FCは、前身の城南一和時代こそACLで2度の優勝歴があるが、2013年を最後に経営母体だった統一教会系グループが撤退し、以降、市民クラブに転換したばかりのチームだ。 2014年、国内カップ戦の準決勝、決勝でそれぞれ強豪の全北、ソウル相

    ACL、敵地・韓国でまたも3点大勝!柏とは対照的なG大阪の「らしさ」。(吉崎エイジーニョ)
    marupeke
    marupeke 2015/05/21
    “変わらないガンバ”の哲学。
  • 遠藤保仁が、激動の1年を振り返る。「今季はキャリアハイじゃない」(佐藤俊)

    天皇杯決勝、モンテディオ山形を3-1で下しトリプルクラウンを達成すると、遠藤保仁は、ホッとしたような表情を見せ、今野泰幸らと握手を交わした。 「やっと1年が終わったという感じだね」 2014シーズンすべての日程が終了し、思わずこぼれた言葉には1年間フルに戦い切った実感がこもっていた。 遠藤にとって、今シーズンは大きな目標が2つあった。 ひとつは、ブラジルW杯で南アフリカW杯以上の成績を残すこと。もうひとつは、J2からJ1に昇格したばかりのガンバ大阪で優勝争いに絡み、タイトルを獲ることだった。 ガンバでは、1月の沖縄合宿、2月の宮崎合宿ともに順調にシーズンの準備が進んでいた。宇佐美貴史が2月下旬に負傷し、8週間もの離脱を余儀なくされたが、遠藤にとっては主力がケガをすることもある意味想定内のことで、さほど深刻には捉えていなかった。 しかし、エースの不在は思った以上の痛手だった。Jリ-グ開幕戦の

    遠藤保仁が、激動の1年を振り返る。「今季はキャリアハイじゃない」(佐藤俊)
  • 「主役」宇佐美貴史の成長度。ガンバ優勝までの1年を振り返る。(佐藤俊)

    Jリーグ最終節、ガンバ大阪は徳島ヴォルティスを相手にスコアレスドローに終わった。 優勝を確定できず、選手たちは他会場の結果を待つ。数分後、2位の浦和と3位の鹿島がともに敗れた報せを受けると、宇佐美貴史はチームメイトと抱き合うこともなくゴール裏のサポーターに向って走り、拳を突き上げた。 「サポーターに感謝したくって」 宇佐美は声を弾ませて、そう言った。 ガンバ大阪、9年ぶり2度目のリーグ優勝の軸は、宇佐美だった。 シーズン開幕前、宇佐美はドイツから帰国して3年ぶりにJ1の舞台で戦うことを楽しみにしていた。 「J1というステージで戦うために、レベルアップしないといけない。まず、技術を生かすためにフィジカルを鍛えて体重が75、76kgになった。うまく、強くて、速い。それが揃ったら誰も止められなくなるし、ムラがなくなると思う。1点でも多く取ってチームに貢献したい」 肉体改造をほどこし、開幕はすでに

    「主役」宇佐美貴史の成長度。ガンバ優勝までの1年を振り返る。(佐藤俊)
  • オシムが語るガンバ大阪と遠藤保仁。「彼がいれば監督は必要ない」(イビチャ・オシム)

    日本代表監督のカリスマがサッカーの現在を深く洞察する メルマガ「イビチャ・オシムの『オシム問答』」。 最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします! ▼Lesson.89 目次 【1】 〈今週の「オシム問答」〉 「Jのクラブがアジアで結果を残せていないのが残念でならない」 【2】 〈オシムとの対話〉 「遠藤は常に自分を、チームメイトや相手もコントロールする」 【3】 〈バドゥ・ビエイラが語るジョホールバルの真実 ~第3回~〉 「中田は強かったが、イランにも屈強な選手が中盤に2人いた」 【4】 〈ゆるゆる取材日記レロレロ〉 【5】 〈オシムの教え〉 「状況を前進させる可能性を唯一持つのがサッカーだ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 〈オシムとの対話〉 「遠藤は常に自分を、チームメイトや相手もコントロールする」 ━━━━━━━━━━━━

    オシムが語るガンバ大阪と遠藤保仁。「彼がいれば監督は必要ない」(イビチャ・オシム)
  • G大阪・長谷川健太監督の逆転戴冠!ナビスコ決勝を好試合にした両監督。(茂野聡士)

    ガンバ大阪の指揮官として、初のJ1タイトルを手にした長谷川健太監督。J2に降格したガンバに就任し、1年でJ1昇格を果たした手腕は、ナビスコカップでも発揮された。 2014年のナビスコカップ決勝戦は、国立競技場の改築のため埼玉スタジアム2002で行なわれた。 サンフレッチェ広島vs.ガンバ大阪。38126人の観衆の前で、両チームはカップ戦ファイナルらしい、激しいシーソーゲームを展開した。 広島のエース、佐藤寿人が前半20分のPKで先制点を奪い取ると、35分には絶妙なポジショニングでゴールポストからの跳ね返りを詰めて2ゴール目。中山雅史、ジュニーニョと並び首位タイだったナビスコカップの通算得点記録を「28」に更新するゴールを決めた。 するとその3分後、今度はガンバ大阪の遠藤保仁が流れた左サイドから、パトリックの頭に合わせる高精度のクロスを送り、追撃の一撃をアシスト。アギーレ体制下の日本代表で初

    G大阪・長谷川健太監督の逆転戴冠!ナビスコ決勝を好試合にした両監督。(茂野聡士)
  • 「遠回りしたっていいと思ってる」J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。(二宮寿朗)

    「J2 Most Exiciting Player」を受賞する遠藤保仁。プロ入り初の主将、宇佐美をサポートする高めのポジションなど、初体験に満ちた1年となった。 いつもの指定席に、いつもの人がいなかった。 Jリーグ年間表彰の舞台となる2013年の「Jリーグアウォーズ」。2003年から10年連続でJ1ベストイレブンに選ばれていた遠藤保仁は、壇上に並んだ11人の選手たちを外から見つめていた。 セレモニー後、そのときの気持ちをちょっと聞いてみた。フッと軽い笑みを浮かべたのちに、実に彼らしい答えが返ってきた。 「久しぶりにベストイレブンのメンツを外から見ましたけど、日人全員というのは久しぶりだし、それは凄くうれしかったですよ。それに、あそこにまた立ちたいなって思いましたね」 いつも自然体で、すべての事象を後ろ向きに捉えることなく、自分の成長につなげようとする。来年1月に34歳を迎えるベテランの変

    「遠回りしたっていいと思ってる」J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。(二宮寿朗)
  • 復帰直後のガンバでゴールを量産中。宇佐美貴史の伝説が再び動き出す。(佐藤俊)

    かつて「天才」の称号はこの男のためにあった。宇佐美貴史は失意の時期を越えて、古巣・G大阪で目覚しいパフォーマンスを見せている。まだ21歳、宇佐美のキャリアは始まったばかりだ。 宇佐美伝説、再点火の気配だ。 6月、宇佐美貴史は期限付き移籍先だったホッフェンハイムからガンバ大阪に復帰した。 2年ぶりの国内復帰戦となった7月20日、ヴィッセル神戸を相手にいきなり2ゴールを挙げ、ファンの度胆を抜いた。8月4日の岡山戦でも貴重な同点ゴールを挙げ、2点目にも絡み、3-2の勝利に貢献した。 海外から国内復帰した選手は一様に日サッカーに慣れるのに苦しむが、それを全く感じさせず、むしろレアンドロ、家長昭博ら攻撃陣の主力が退団した穴を一人で埋める活躍をしている。 「神戸戦の1点目のゴールは大きかった。あのゴールで自分自身、落ち着くことが出来ました。内容もヤットさんに『流して』って言って、それをしっかり決める

    復帰直後のガンバでゴールを量産中。宇佐美貴史の伝説が再び動き出す。(佐藤俊)