ひとつの哲学を胸中に抱きながら、33歳の今野泰幸は16年目のプロ人生に臨んでいる。 コンサドーレ札幌、FC東京、そして現所属のガンバ大阪で555を数える公式戦に出場。日本代表としても87キャップを獲得し、2度のワールドカップ代表に選出されてきた軌跡で、必然的に形成された「いい選手」に対する独自の定義といってもいい。 「監督から求められるプレーをできるのがいい選手だと、自分のなかではずっと思っている」 ■勝利への条件を弾き出す 迎えた2月20日。サンフレッチェ広島と雨中の日産スタジアムで対峙した富士ゼロックススーパーカップは、今野の定義に照らし合わせれば「まったく満足がいかない」となる。 J1と天皇杯の覇者が激突する、シーズンの到来を告げる恒例の一戦。長谷川健太監督から求められたポジションは、主戦場としてきたボランチではなくセンターバックだった。 チャンピオンシップ決勝を含めて、リーグ戦覇者