ナショナリズム研究の第一人者で名著「想像の共同体」で知られる政治学者のベネディクト・アンダーソン氏(75)は、源氏物語を愛読し小津安二郎の映画のファンという知日派だ。東日本大震災の被災地支援に駆け付ける日本人に「良質で純粋なナショナリズム」と「将来への希望」を感じると語った。一方で日本の官僚、東京電力の無責任さは「犯罪的」と指弾し、首相を代えても問題は解決しないことを日本人は知る時だと述べた。 ●東日本大震災では多くの人々が被災地支援に駆け付けました。 「なぜ自分の同胞がこんなひどい目に遭うのだろう、なぜ政府は彼らを救えないのか、という思い、つまり同じ国民として恥ずかしいという思いが責任感を生み行動を起こす。ベトナム戦争の時代に、反戦デモを起こした米国人に聞くと、『小国ベトナムになぜひどい攻撃をするのか、自分の国が恥ずかしい』と言っていた」 「国民とはイメージとして心に描かれた想像の共同体