妻が娘に託していた愛用の小銭入れを「お守り」にする熊川さん。「唯一の形見」という=福島県二本松市の遺留品掲示所で2011年4月18日、大場弘行撮影 東日本大震災の津波で数百人の行方不明者が出たにもかかわらず、福島第1原発の事故に伴う避難指示で1カ月以上捜索が実施されなかった福島県浪江町請戸(うけど)地区。津波に遭い、九死に一生を得た男性の耳には、50年近く連れ添った自分への感謝の言葉とともに波間に消えた妻の声が残る。「一刻も早く見つけてほしい」。男性は14日に始まった捜索による発見を祈るように待ち続けている。 「真っ黒い波が数十メートルの高さに立ち上がり、一気に倒れてきた」。海岸から数百メートル先に住む無職、熊川勝さん(73)は目前に迫る大波に度肝を抜かれた。妻洋子さん(73)の手を引いて2階に駆け上がったが水位はみるみる上がり、洋子さんを抱えて顔を出すのがやっとになった。死を覚悟し「こ
「命が大切」というのは正論。しかし、その犠牲になるのもここの住民なんです――飯舘村・菅野典雄村長(2) - 11/04/18 | 17:44 避難措置に伴う経済面、生活面、精神面、子どもへの影響など、大変に心配です。職場などは全部がらがらぽん。ほとんど倒産します。健康も悪化する、精神的にもおかしくなる。子供にも大きな影響を与えます。 よく考えてください。そういうリスクと、いまうちの村にいて、たとえば放射線を相対的に多く浴びる中にいて、実際に被害が出るリスク。天と地ほどの差があるのではないですか。 「命が大切」と言ったり書いたりしていれば、誰からも非難されない。しかし、その犠牲になるのはここの住民なんです。 なぜ、それを言ってくれないのでしょうか。「放射線濃度の高い地域だ」「なぜ、そんなところから避難させないんだ」という。あるいは、そこまで書かなくても「大変なところだ」という話ばかりで
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