クーンズは、女性がナチ党を支持した要因をいろいろ挙げている。主な点をまとめると、 ・男女同権への幻滅。ワイマール憲法の下、男女平等が公的に謳われたにもかかわらず、社会民主党も含めて男性は政治的にも社会的にも権力を放棄しようとせず、「男女平等」の理念に多くの女性が幻滅したこと(クーンズは、1920年代に、特に若い女性の間でフェミニズムが衰退したことを指摘している)。 ・低賃金労働への幻滅。第一次世界大戦による総動員体制下での女性の社会進出により、ドイツでは、1920年代には賃金労働者に占める女性の割合が約三分の一に達しており(アメリカでは15%)、女医や女性弁護士も続々と登場し、ホワイトカラーの事務的な仕事は若い女性に担われつつあるという女性の社会進出の「先進国」だったが(クーンズは、アメリカのフェミニストが羨望のまなざしでドイツの仲間たちを見つめていた、と報告している)、大多数の既婚女性は
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