熊本県八代市の伝統行事「八代妙見(みょうけん)祭」(22、23日)の神幸行列で市内を回る笠鉾(かさぼこ)「西王母(せいおうぼ)」の台車に、2010年まで約60年間、旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)用の2本のタイヤが使われていたことが分かった。 同市内でタイヤが無料公開され、多くの市民が見学に訪れている。 西王母は、古代中国で信仰を集めた女性の仙人で、その姿をかたどった人形が笠鉾の上に立つ。祭りに参加する9基の笠鉾の一つで、同市通町の保存会が保管している。神幸行列では台車に載せ、市内の目抜き通りを練り歩く。 台車のタイヤは1947年に取り付けられたとの記録が残る。保存会には代々、「戦闘機のタイヤらしい」と伝わってきた。約300キロの笠鉾を長年支え続けたが、2010年に1本が破裂したため交換された。 今年になって、保存会の松川達也さん(55)が、戦闘機に詳しい福岡県筑前町立大刀洗平和記念館