2013年度予算を一言で評せば、「緊縮システムは頑として続ける」ということだろう。政権が交代しようと、日本の財政当局のやることに変わりはない。「緊縮システム」とは、前年度の補正後の予算額より、圧倒的に少ない当初予算を組んで、秋の補正などで何もしなければ、強力な財政デフレが作用するように仕込むことである。 あわよくば財政を節約できるという仕込みは、財政当局には嬉しいかもしれないが、経済にとっては、たまったものではない。成長は、投資増と所得・消費増が相互に作用して、徐々に高まっていくものである。これを財政が邪魔をしてしまうと、いつまで経っても、成長が高まらなくなる。「緊縮システム」をやめない限り、日本のデフレ脱出は難しいだろう。 ……… 補正後の2012年度予算は100.5兆円であり、2013年度予算は92.6兆円だから、何もしなければ約8兆円、GDP比で1.5%ものデフレ圧力がかかる。インフ