米中貿易戦争やパンデミックなどの相次ぐ異常事態によって、世界の工場と呼ばれた中国の製造業が打撃を受けている。電子商取引大手の支援を受け、国内向けの独自ブランドに注力する動きが加速しそうだ。 by Karen Hao2020.06.10 2 4 2 2 1万5000平方メートルの敷地、800人の従業員、300台の機械、500万着の年間衣類販売数。ジュー・カイユーに工場について尋ねたら、そんな印象的な統計データを並べ立ててくれるはずだ。 ジューは2002年、中国広東省の東莞市にニット素材のアパレル工場を作った。プラスサイズの複数のアパレルブランドを展開する米国の「フル・ビューティ・ブランド(Full Beauty Brands)」など、外国企業から信頼される製造パートナーであることをジューは誇りに思っている。例年、年商のおよそ30%が国外からの受注だという。 だが、2018年に異常事態が起きた