(記事要約) 日本でも8月25日に公開されたマイケル・ムーア監督の映画SiCKO(シッコ)は、米国で十分な医療を受けられない9/11の作業者を含む病人グループを引き連れ、全国民に政府が無料医療を提供しているキューバを訪れ、米国のお粗末な医療の現実を痛烈に皮肉る映画である。 しかし9月7日にABC放送(ディズニーが所有する米国3大ネットワークの一つ)の20/20という報道番組では、マイケル・ムーアが訪れたキューバの医療機関は特権階級のためのもので、「一般のキューバ人が使う診療所や薬局は不衛生で十分な薬もない」という人権運動家の声を紹介している。 その優れた医療システムのために、キューバは乳児死亡率も米国より低く、平均寿命は米国人より長いとムーア監督は主張するが、20/20の番組ホストであるジョン・ストッセルは、乳児死亡率の低さや平均寿命といった数字はキューバ政府が操作した数字だとするキューバ