宮崎市青島から南の油津にいたる日南海岸には,「鬼の洗濯板」と呼ばれる波食台が発達する。洗濯板は,宮崎層群と呼ばれる,数百万年前に深い海で堆積した地層である。この地層が傾きながら隆起し浅い海で波の浸食によって削られ,さらに隆起し海面に顔を出したというのが,洗濯板のいわれということになる。波状の板の凸の部分が硬い砂岩層で凹の部分が軟らかい泥岩層から成り,砂岩層と泥岩層の厚さは合わせて数十cm程度。地層としては,砂岩層とその上の泥岩層が1回の堆積作用で形成されている。砂岩層と泥岩層のセットが,当時海底で起こった巨大地震によって発生した土石流のような流れから堆積したと考えられている。少なくとも数百回の大地震が起こっていたことになる。青島の中央部分も「青島亜熱帯性植物群落」として天然記念物に指定されている。 青島ノ周囲及其ノ對岸ナル戸崎鼻ヨリ南ノ方巾着島ニ至ル間ノ海岸ニアリ千潮時ニハ幅二十メートルヨ