2010年代を「残念」というキーワードで総論した『一〇年代文化論』を、4月に星海社新書から上梓した評論家・ライターのさやわか。「さやわか式現代文化論」は、そんな彼が、昨年11月から毎月、作家・思想家の東浩紀が運営するイベントスペース・ゲンロンカフェにて行っているトークイベントだ。 7月12日に開かれた第9回目は、デビュー作にして伝説のカルト作と名高いエログロメタ美少女ゲームミステリ『左巻キ式ラストリゾート』が6月に星海社で文庫化された、作家・海猫沢めろんと、この本に解説を寄せた東浩紀をゲストに迎え、「コミュニケーションは想像力を超えるか----ゼロ年代の終わりと10年代の行方」とのタイトルで行われた。 イベントタイトルにある「想像力」とは、コンテンツと言いかえることができるだろう。東浩紀は前述した星海社文庫版『左巻キ式ラストリゾート』の解説において、コンテンツとコミュニケーションを対比させ