やきものは、大きく陶器と磁器に分かれます。 同じやきものでありながら、この二つは一体何が違っているのでしょうか? 京都で、やきものの技術を研究する 横山直範さん。 横山「陶器は主原料として粘土でできています。そして磁器は、陶石という石原料でできているのが、大きな違いです」 陶器をつくる粘土は、各地で採れる土です。 一方磁器は、限られた産地でしか採れない陶石という石を砕いて使います。 陶石には、ガラスと共通の成分が多く含まれています。 横山「磁器はガラス質が多く、陶器はガラス質が少ないということになります」「そのため、磁器の方がよりガラスに近いといえます」 日本のやきものを研究している美術史家の河原正彦さんです。 河原「陶器は温かみがあり、触ってみたいという感性を呼び起こす物質。磁器の方は、きりっとした冷たさを持っていますし、生活の器の中でも高級感のあるもの」「素材としての陶器は、作りやすく