昨年は、新作映画『光』と同時進行で数々の短編作品を製作した。師走特有の気ぜわしさから足を止め、お正月はゆっくりと自分を見つめながら過ごすことができた。 一昨年に家を改装し、断捨離をし、今必要なものだけを身の周りに置いて生活を整えたからだろう。大掃除にかけた時間も極端に短く、気持ちのよい正月を迎えることができた。そんな中いくつかの小説を読み、いくつかの映画を観賞し、近しい人々と初詣に行き、おいしいものを食べることができた。特別な日が普段の日常と変わらず過ぎてゆくことをいとおしく思い、明日に生かしてもらえることを歓(よろこ)ぶ自分がいる。 そんな中読んだ小説の題材が子供の受験を通してママ友の関係を描くものだったからだろうか、息子の学校でも受験勉強のために3学期の始業式に登校しない児童が結構いるのだと聞いて、驚いた。公立の小学校に通う息子だが、ドラマか小説の世界だろうと思っていたことが身近に起こ