報道記者として、警察やインテリジェンスの世界を取材し続けてきた竹内明氏。その竹内氏が長年、交流を持ってきた、ひとりの元公安警察官の生きざまからは、極左過激派やオウム真理教事件など、昭和から平成にかけての激動の時代の「裏側」で、決して光を当てられることなく活動してきた男たちの戦いが透けて見えます。知られざる公安警察の実像に迫る連続ルポ、第1回(第2回以降はこちらから)。 「最後に、お前と飲みたい」 6月9日、ひとりの元公安警察官がなくなった。 古川原一彦。警視庁公安部公安一課に所属して極左の捜査を担当し、連続企業爆破やオウム真理教事件で活躍した叩きあげの捜査官だ。 「俺はもうすぐ死ぬから、お前と最後に飲みたい。世話になったお礼にご馳走させてくれ」 筆者の携帯にこんな電話が掛かってきたのは、先月中旬のことだ。その口ぶりに覚悟を感じた。8年前に膵臓癌で手術、奇跡的に回復していたが、去年、再発して
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