前回は対論者の森川嘉一郎さんが日本の美術教育の問題点をズバッと切り裂くプレゼンを行った『芸術闘争論』トークショー。3回目となる今回は大阪に会場を移し、村上さんの「芸術方法論」的な話が2時間半、みっちりと詰め込まれた内容だった。しかし世界のアートのシーンの状況をほとんど知らない聴衆にとっては、本の内容につながる自作の解説はまだしも、村上さんが「僕の作品はミニマリズムの人々がやってきた手法に依存している」と例に挙げた作家たちの話は、「日本ではほとんど観る機会のない作品」ということもあって、多くの聴衆が十分咀嚼できないかなり高度なものだった。 ニコニコ生放送もなかった今回のトークは、場所が関西ということでぜひ参加しようと当日までに『芸術闘争論』を読み込んで会場入り。立ち見も含め、150名ほどの聴衆が集った会場は、主に20代のおしゃれ系の本屋で買い物をするような若者を中心に、中には70代のロマンス