カップ焼きそばを食べる、といった。冗談だと思って、ケラケラと笑ってしまった。その子は、むっとした顔をして、そんなにおかしいことかと聞き返してきた。それでようやく、この子は嘘じゃなくて、ほんとにカップ焼きそばを、晩御飯にするつもりなんだとわかった。 かわいい女の子がカップ焼きそばを食べるっていう行為は、僕にとってはあまり現実感がない。かわいい女の子とカップ焼きそばって、不思議な組み合わせだと思う。おっさんがぬいぐるみ抱いて寝ているのに似た、不釣り合いさだ。 とくに、その子はめっぽうかわいいのだ。肌なんて少しのくすみもない白さで、大きな瞳は人形みたいだ。普通のかわいい女の子じゃない。 だからこそ、カップ焼きそばなんてガサツな食べ物との組み合わせが、面白かったのだ。 その子がカップ焼きそばをすすっている姿想像すると、クジラが空を飛んでるような非現実さがあって、笑ってしまう。 焼きそばの話だけで、