江戸時代末期に開業し、営業を続ける写真館としては国内最古級とされる熊本市の「冨重写真所」が今年で開業145周年を迎え、9日から記念展を開く。 西南戦争(1877年)で焼失する前の熊本城の天守閣や著名人らの写真のほか、写真草創期に使われていた機材など計約80点を公開予定。4代目の冨重清治さん(64)は「当時の息吹を感じてほしい」と話している。 冨重写真所は、国内初のプロカメラマンで坂本龍馬の肖像写真で知られる上野彦馬(1838~1904年)に師事した福岡県柳川市出身の冨重利平(1837~1922年)が、1866年に地元で開業。71年、明治政府からの招きを受けて熊本に移転した。 西南戦争で写真所は焼失したが、利平は写真機材、現代のネガにあたるガラス原板を大八車で持ち出し、貴重な機材や記録はその後も代々大切に引き継がれてきた。焼失した年に再建された木造2階建ての建物は、現在も店舗として使われてお