理化学研究所は6月15日、マウスを使った実験により、学習の効果を上げるには休憩を取ることが重要であることを解明したと発表した。これは、理研脳科学総合研究センター運動学習制御研究チームの永雄総一チームリーダーと岡本武人テクニカルスタッフ、東京都健康長寿医療センター遠藤昌吾部長、群馬大学医学部白尾智明教授らとの共同研究による成果。 一般に、一夜漬けなど短時間の学習(集中学習)によってできた記憶に比べ、適度な休憩を取りながら繰り返し学習(分散学習)による記憶のほうが長続きするとされている。心理学ではこの現象を「分散効果」と呼び、効果が現れる原因として、脳内の短期記憶から長期記憶への変換のプロセスが想定されている。 分子レベルでのこのメカニズムの解明は進んでいなかったため、同研究グループはマウスの眼球の運動学習に着目し、集中学習と分散学習の記憶が脳のどの部位に保持されているのかを実験で調べた。 同