領土をめぐる限定戦争から、グローバルな経済の衝突へ ──ウクライナでの戦争に関する本を日本では出版したのに、フランスで出版していないのはなぜですか。 日本人が反ロシアなのは、ヨーロッパ人に引けを取りません。ただ、今回の戦争は日本から地理的に遠く離れたところで起きているので、そこまでの切迫感がありません。日本人は私たちヨーロッパ人ほどウクライナに感情的になっているわけではないのです。 それに日本での私のステータスは、ここフランスとはまったく異なります。フランスでは、私の評判は「クレイジーな反逆児野郎」という荒唐無稽なものになっていますよね。しかし日本に行けば、私は大手新聞各紙や主要雑誌に発言が載る人類学者、歴史家、地政学者として評判もよく、書いた本はすべて日本語に翻訳されています。私は日本では落ち着いた雰囲気のなかで自分の考えを述べられるのです。 だからまずは日本の雑誌を相手にそれをして、そ