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「日本の伝統楽器」に、和太鼓を挙げる人は多いだろう。古来神事や雨ごいなどの行事、民俗芸能に欠かせない楽器として用いられてきた。だが、最近活躍する和太鼓の演奏スタイルの歴史は、実は新しい。 民俗芸能としての和太鼓は、あくまで脇役の楽器だった。様々な和太鼓の組み合わせで演奏する「組太鼓」は、高度成長期以降に、現代の創作太鼓の流れの中で生まれたもの。60年代後半から、プロの創作太鼓集団が次々と世に出た。背景には、伝統文化への関心の高まり、大阪万博の開催など海外とのかかわりの中で、日本独自の楽器への注目もあったようだ。 神社や寺院で使われ、「宮太鼓」とも呼ばれる「長胴太鼓」は、ケヤキなどをくりぬいた胴に、皮を鉄の鋲(びょう)で留める。縄やボルトで上下の皮を締める「締め太鼓」には、小ぶりで高い音を出す「附締(つけしめ)太鼓」、杉板などを桶(おけ)状につないで胴を作る「桶胴太鼓」などの種類がある。両面
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