直立した細長い壁を列をなした車が登っていく。目をこらすと懸命に自転車をこぐ人もいる。超望遠レンズで見た光景は、まるでトリックアートのようだった。 鳥取県境港市と、中海に浮かぶ島根県松江市の江島を結ぶ「江島大橋」。全長1・7キロ、海面からの高さ44・7メートル。日本海側の物流拠点・境港と島根県東部地域の交通円滑化を目的に平成16年に完成した。勾配は島根県側で6・1%、100メートルで6・1メートルの高低差が生じる急坂だ。橋の下を500トン級の船舶が往来できるよう設計した結果だった。 橋が有名になったきっかけは、平成25年末から放映された軽自動車のテレビCM。その中で使われた「ベタ踏み坂」という呼び名で一躍、全国に知れ渡った。 橋のたもとにあるファミリーマート松江江島大橋店の門脇淳平店長(37)は「放映直後は、ベタ踏み坂に関する問い合わせで店の電話が鳴りっ放し。大変でした」と振り返る。26年5

