【ローマ藤原章生】バチカンの機関紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」と司教会議の機関紙は2日付紙面で、ベルルスコーニ伊首相の発言が神を冒とくし、ユダヤ人を傷つけたとして批判記事を掲載した。喜劇的な振る舞いや毒舌で人気を集めてきた首相だが、バチカンからこれほど強く非難されたのは初めて。イタリアでは神の冒とくに対する嫌悪感が強く、すでに支持率が3割台に落ちている首相への反発が広がりそうだ。 左派系の伊紙レプブリカなどが電子版で報じた私的撮影の映像2本が批判の対象となった。1本は09年初夏、ベルルスコーニ首相が中部ラクイラの震災地で救助員に囲まれた際、野党・民主党の女性議員ビンディ氏の容姿を侮辱し、「ポルコ・ディオ」という言葉を添えた。直訳は「豚の神」だが「畜生」といった言い回しで、イタリアでは神を冒とくする禁句とされている。 もう1本は今年9月29日夜、ローマの首相官邸前で誕生日を祝う支持者に囲ま