そういえば、フランク・ウェーバーが東京に来た週末に、まず上野と”谷中”に行ったと言っていて、なんでまたそんなところに行ったんだろう?と思って尋ねてみたら、 「田中康夫の本に、僕のファースト・アルバムを聴きながら歩くのにぴったりだ、と書いてあって、是非行ってみたかったんだ」と答えてくれた。 その本とは「ぼくだけの東京ドライブ」。1984年発表。当時のタイトルは「たまらなくアーベイン」(アーバン、じゃないところがミソ)。 五木寛之の時代がジャズの気分、村上龍の時代がロックの気分なら、今の僕たち(80年代前半に若者だった人たちのこと)はアダルト・コンテンポラリーとブラック・コンテンポラリー(両方とも死語になってしまった、、)の気分の中にいる、と高らかに宣言した、音楽ガイドブックの体裁をとりながらも、その音楽にぴったりの東京のデートコースをガイドするエッセイ風の本だ。 当時おしゃれなデートなどには