南青山にあった伝説のレコード・ショップ「パイド・パイパー・ハウス」は、1975年11月にオープンしてから足かけ14年間の営業で1989年6月に閉店した。 日本では1989年からレコード会社の発売する新譜が全面的にCDへと切り替わり、アナログ・レコードの生産がほぼストップしている。 したがってパイド・パイパー・ハウスが閉店したのは、レコード文化というひとつの時代が終わったことの象徴でもあった。 店名はグリム童話やロバート・ブラウニングの詩で知られる北ドイツ、ハーメルンに伝わる伝説の笛吹き男から名付けられたものだ。 開店した当時の港区南青山5丁目はまだのんびりした住宅地の風情が残っていて、246通りから骨董通りを曲がってすぐの一角にあったパイド・パイパー・ハウスも、ビートルズで育ったかつての音楽少年たちが店を始める前は乾物屋さんだった。 人通りもさほど多くない場所にできた共同経営のいささか風変
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