未来の出版に必要なものは、「これまでになかった新鮮な空気」 「書き手のなか、あるいは実際に書かれたものから、いまだ書かれぬ何かを感じ、企画をたて、それを、読み手に届ける」 これは、ミシマ社代表の三島邦弘さんの著書『失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ』の「はじめに」にあった言葉です。本社を東京・自由が丘に置きながら、京都にもオフィスを開設。地方で出版社をおこすこと、震災後の意識や意思決定、そして、編集やメディアとは、出版を救うヒントや実践などについて読み入ることができた本でした。 ミシマ社が2006年に自由が丘にオフィスを構えた際の理由のひとつに出版社がない場所だから、という点を挙げています。おしゃれやスイーツなどのイメージがある自由が丘ではなく、「生活者の町」としての場所で出版社を営むことができた実感から、「メディアの活動は生活感覚に近いところですべし」という考えになったそ
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