10歳の天才少女歌手として前の東京五輪の年に世に出てから55年。波瀾(はらん)万丈の歌手生活の末、インターネット世代の若者たちにも愛されるなど芸能界で唯一無二の存在になった。 その若者たちがつけたニックネームが「ラスボス」。ゲーム用語で、最後に立ちはだかる最強の存在といった意味だ。NHK紅白歌合戦での豪華な衣装が「ラスボスっぽい」としてインターネット上で、そう呼ばれていた。 『ラスボスの伝言 小林幸子の「幸」を招く20のルール』(小学館)は、「自分の機嫌は自分でとりなさい」「意見や希望は口に出せ」など、波乱の中で体得した独自の「ルール」を20個集め、エッセー風に語っている。 初の著書だ。誘いは多かったが、「芸能人の本は、成功物語が多いでしょ。もう、そういう時代じゃない」と首を横に振ってきた。 「『人生にはこういう切り抜け方がある』ということを伝えられるものにしたいと提案され、あ、それならで
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