自分は“幸せな人生”を生きていないのではないか――われわれの一人ひとりが漠然と感じていた閉塞感が、今や日本全体の問題となりつつある。その背景にある原則を探りながら、「脱不幸」のためのカギを紹介する。 グラフは、年齢を重ねると幸福度がどのように変わるのかを、日米で対比させたものだ。あまりに真逆の図形に呆然としてしまうが、“日本人は年を取るほどに不幸になっていく”のに対し、アメリカでは“年を取るほど幸せになっていく”。一体どうして、こんな差が……? 「日本人の“高スペック主義”は、介護医療の現場にも暗い影を落としていますね。“いい病院に通う”とか“いい介護ホームに入る”ことに執心する高齢者が多いのですが、本来いちばん幸せなのは、在宅でリラックスしてケアを受けること。海外でも主流は圧倒的に在宅ケアなんですけどね……」(産業医の大室正志氏) 淑徳大学の結城康博氏は日本の高齢者の人間関係の希薄さを嘆