鶴見線は、メインの鶴見~扇町間と、浅野~海芝浦間・安善~大川間の2つの支線からなり、全部あわせても10kmに満たないミニ路線。 前回は、極端に本数が少ない大川支線と海芝浦駅を紹介した。後編は、怪しい雰囲気の「国道駅」から旅を再開しよう。 時間が止まったような国道駅 国道駅は、鶴見駅から数えて1駅目にある。鉄道の駅が「国道」というのも妙だが、これは駅前に国道15号線が通っているから、ということらしい。 ホームに降りた時点では何の変哲もない高架駅なのだが、改札への階段を下りて行くとたちまち状況は一変する。何しろ古い。改札口のラッチは木製である。タイムスリップという言葉が頭に浮かぶ。 高架下の通路は、昼間だというのに暗い。これで物音ひとつせず、通行人もいなかったら、相当に不気味だろう。工事をしているようで、ドリルか何かの音が反響している。 通路の両脇はテナント兼住居が並び、その一画には、その名も