京都市西京区の産婦人科病院「身原(みはら)病院」が、不妊治療中の女性患者の受精卵を培養した「胚」を紛失していたことが21日、同病院への取材で分かった。 病院によると、2015年7月、患者から採取した卵子を受精させ、培養して胚になったものを凍結保存した。17年9月、胚移植のために解凍する際、五つあった胚のうち、一つがなくなっていることが分かった。紛失の時期や原因は調査中という。 同病院の山下昌克事務局長は「患者には不妊治療をする中で、さまざまな心の痛みを与えてしまった。その責任は重い。誠心誠意、対応したい」と話した。 不妊治療に用いる凍結胚は、体外受精でできた受精卵を複数回細胞分裂させた後に凍結させたもので、排卵時期に合わせて解凍し、子宮に移植する。 市によると、同病院は市が特定不妊治療(体外受精、顕微授精)の助成対象となる医療機関に指定している市内7病院の一つ。 【 2018年09月21日