神戸市の人口減少が深刻だ。平成27(2015)年10月の国勢調査で、政令市人口5位の座を福岡市に奪われた。しかも、上位10市で減少したのは神戸市だけ。低迷を象徴する結果となった。神戸は民間の「住みたい街」調査で常に上位を誇り、ブランド力も高いはずだが、なぜ5大市から転落したのか。 前回国勢調査(22年)から5・1%増と、上位20市で堂々の増加率トップの福岡市に比べ、神戸市は0・4%減。福岡市とはわずか650人差だが、追い抜かれたことだけが今回の問題ではない。 異国情緒漂う日本有数の港町として栄えた神戸市は戦後一貫して人口が伸び続けた。阪神大震災後の平成7(1995)年の国勢調査では人口が減ったが、減少はこの1度だけ。今回は実質的に戦後初の人口減だった。この結果を最も悔しがっているのは、全力で復興に取り組み、魅力ある街を再生させてきた神戸市民に違いない。 「神戸は学生が多いが、就職を機に東京