先日、元財務官の榊原英資氏が「今のデフレは、マネタリーな現象ではなく構造的なものだ。日本は中国と近いためにデフレが深刻なのだ」とおっしゃっていた。 この意見にはちきりんもほぼ同意。よく指摘されていることだが、グローバリゼーションの進行により日本の財・サービスの価格は中国の財・サービスの価格と均衡するところまで下がり続ける運命にある。 そしてそのサービスの価格には“労働単価”も含まれており、私たちの給与は今後、日中で同じレベルに収束するまで、中国では上がりつづけ、日本では下がり続けるだろう。 このような構造的デフレに対して“マネタリーな対策”、すなわち日銀が市中への資金供給を増やすなどという対策は(資金ショート問題にはそれなりの効果があるだろうが)景気に対してはたいした効果がない。 現在でも金融機関は“日銀からはじゃぶじゃぶの資金”を供給され、一方で貸し出したい中小企業はないし、借りてくれる