子ども食堂のような互助的な仕組み(税金かからない)には共感が拡がっても、教育格差のような公助的な意味合い(税金使う)が強くなると、社会的理解や共感は得られにくくなるのかもしれない。この現象に誰か名前をつけてほしい。
素晴らしい本だ。それ以上に研究とは、啓蒙の在り方とは、そしてそもそも人間とはなんだとろうか、という思いを何度も本書の通読中に思った。語り口はやわらかくまた優しいが、時に熱情的なメッセージが冷静に刻み込まれている。同時代の“全体像”を出会い喫茶、出会い系という風俗を通して描いた著作だ。多くの人が長くこの著作を読み、私たちがいま生きている2010年代の肖像として今後利用していくだろう。それほどの著作だ。経済思想史的にいえば、これはまさに現代の『貧乏物語』なのだ。河上肇のこのベストセラーが、当時の日本の現実で「貧乏」を描くことなく同時代のイギリスの状況を描いたことに対して、本書は現在の日本の「貧乏」ではなく、ありのままの現在の日本の「貧困」を描写しようとしている。そしてその試みは私の思うところ、きわめて深いレベルで成功している。 本書の出会い喫茶調査(時間的にも地域的にもかなりのサンプル収集と本
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