虫歯に苦しんでいた古代の中国人 官吏や貴族の家では、朝早くから使用人が動きだしている。かれらは井戸で水を汲くむなどの作業をしている。一軒一軒の屋敷に井戸が備わっているところもあれば(※1)、ムラごとに井戸を共有しているところもある。(※2) 身体に烙印らくいんを帯びた家々の奴隷は水を汲むたびに(※3)、井戸で顔をあわせている。分をわきまえた奴隷ならば、ご婦人らの井戸端会議に加わらず、そそくさと水を汲み、主人へ届けたことであろう。 主人とその家族は、井戸から汲まれてきた水で顔を洗い、手を洗う。歯みがきはしない。起床時と食後に口をすすぐだけである(※4)。最古の歯ブラシは唐代のもので、それ以前には確認できない。ほぼ同じころ、古代インドの人びとは朝から木ぎれをくりかえし噛かみ、それを歯ブラシのかわりにしていた(※5)。これを「歯木しぼく」や「楊枝ようじ」というのであるが、こうしたものは古代中国に
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