太平洋戦争中の1943年に墜落した十和田湖から今年9月に引き揚げられ、青森県立三沢航空科学館で展示している旧陸軍の「一式双発高等練習機」のエンジン1基が、製造元とつながりのある日野自動車(東京都)の関連施設で、来春から展示されることが決まった。4日、エンジンは同社に向けて発送された。当時の技術水準を知る貴重な航空遺産として、全国でも注目を集めそうだ。(藤野武) エンジンは「天風」という型で、9気筒の450馬力。同練習機には重さ295キロ、直径1・2メートルの2基が搭載されていた。日野自動車の前身に当たる東京瓦斯(がす)電気工業が製造した。 湖底に69年間、沈んでいたため腐食が激しく、プロペラの先端は墜落の衝撃でぐにゃりと曲がっているが、エンジンの外部は原形をとどめている。 日野自動車は創業70周年に合わせ、4月から東京・八王子市の日野オートプラザで公開する予定だ。 この日は同科学館