本作品は、太平洋戦争の平和記念館を設立させることで、ある人物の過去を改竄しようとする市長と、それに反対する戦犯遺族の物語。登場人物が、バラバラの思惑で対立し錯綜していく様は、フィクションでありながらも現代社会“そのもの”をあぶり出す。平成生まれの監督が描く、現代と戦争の不透明な距離感を表現した他にはない作品が誕生した。 主人公の市長を演じるのは、数々の作品に出演している名バイプレーヤー・吹越満。記念館設立に反対する一家には、大方斐紗子、北香那、西山真来が出演。また現地オーディションで選ばれた西めぐみが新人ながら怪演。オール淡路島ロケを慣行し、キャストの8割は現地住人が演じた。監督は新鋭・河合健監督。 平成最後の年。外来種である亀の大量繁殖問題に悩まされている架空の街、関谷市。そんな関谷市の市長、清水昭雄は太平洋戦争の平和記念館設立を目指していた。そこに一通の怪文書が届く。 『平和記念館設立