「機長の危機管理」 講談社刊(1997)、著者:桑野偕紀・前田荘六・塚原利夫 (まえがきから)機長の危機管理とは一体どのようなものでしょうか?私たちは数え切れない離着陸の緊張を繰り返し、幾度も成層圏を往復して、休むことなき時間ととどまりえない空間と時空に長年身を置いてきた経験から、機長としての危機管理のあり方を学んできました。この本はその一端をまとめたものです。航空に限らずあらゆる分野で危機管理が叫ばれている現在、危機管理の発展に少しでも貢献できればとねがっています。 危機管理は、危機発生前(平時)の危機管理である「Security Management」と、危機発生後の緊急時(非常時、有事)の危機管理である「Crush Management」から構成されます。 ハイジャックを例に取れば、ハイジャッカーを搭乗させないように警備や警戒をすることが「Security Management」であ