このところ自分の過去の文章を、SNSにリンクしなおす為にいくつか読み返していて思ったのだけれど、かつては僕の言っている程度のことは、社会での経験と本で学んだ理念の量が極端に逆転しているようなごく狭い出版業界やアカデミズムの派閥内部ならともかく、普通に生活していた人は、本音では決して少なくない割合で同感してくれていたはずだ。 ただ、多くの人は、日々の生活の中で何となくそう感じているだけで、自力で考えて、理路を踏まえてそれを選んだり、意識的に肯定したりしていたわけではないから、世の風潮や思潮の潮目が変わって、上から「そう感じては駄目だ。その感じ方は間違いだとわかった」と宣言されると、簡単にそれもそうかと思ってしまうのだ。そして、それが一旦全体の多数を占めてしまうと、そう考えない人間がいると不安になったり、揺さぶられてイライラしたりして否定せずにはいられなくなる。今、起きている、ウォーキズムとか