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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (613)

  • 骨太方針は十年一日の同工異曲 - 経済を良くするって、どうすれば

    骨太方針2024が決定され、目玉は「全世代型リ・スキリング」と「半導体等の大規模投資の支援」だ。10年前の2014では、「人材力の充実・発揮」と「イノベーションの促進」だったので、やっていることに大して違いはなく、基礎的財政収支の黒字化を進める方針も同じだ。労働改革と投資促進に財政再建という同工異曲ぶりであり、不甲斐ない十番煎じの戦略であっても、それ以外は考えつかないということだろう。 ……… 成長を高めるには、輸出で所得を増やし、その所得が内需を拡げ、内需向けの投資が盛んになって、マクロの投資率が上昇する構造改革に至る。1997年以降の日は、内需が拡がる前に緊縮を始め、投資を阻害するので、改革は失敗続きである。それどころか、消費税を上げるたびに消費の水準と速度を低下させ、とうとう子供を持つという「消費」を諦めさせ、人口崩壊で地球環境に貢献する構造改革を実現した。 アベノミクスを見れば、

    骨太方針は十年一日の同工異曲 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2024/06/23
    戦いに勝ちたいのなら、現実を受入れ、その上に戦略を立てなければならないのであって、思想にしがみつき、同じ戦略で、同じ失敗を繰り返すのでは、真の目的は、思想に殉ずることではないかと疑わしめるのである。
  • 金融政策はドル円に、財政は成長に - 経済を良くするって、どうすれば

    米国の利下げが遠のき、またぞろ円安が進み、155円が目前になってしまった。教科書的には、国際金融のトリレンマがあるのだから、米国の金融政策に協調して、利上げをすれば良い。しょせん、日は、ドル円が大事であり、円高では金融政策の自由を捨ててきたのだから、逆でも、それをやるまでのことだ。日が金融緩和でインフレの弊害を起こさなかったのは、財政が可処分所得を削り、需要を抑制してきたからで、利上げでの弊害が心配なら、財政を緩めれば済む。そんな割り当ては在り得ないとされるから、苦しむことになる。 ……… 4/19のDワインスタイン先生の論考はおもしろかったね。失われた30年の理由が分からなければ、奇跡の高度成長の理由も分からないというものだった。答えを先に言えば、需要管理政策の失敗と成功である。高成長には高投資が必要で、投資を高めるには内外の需要が必要だ。投資は需要が見通せないとできないからである。

    金融政策はドル円に、財政は成長に - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2024/04/23
    ”しょせん、日本は、ドル円が大事であり、” やはり通貨安戦争を完全と戦い抜いて断乎勝利を掴む、それ以外に日本経済がこの先生き残る道はない。 There is no alternative.
  • いまだ消費はデフレ後とはならず - 経済を良くするって、どうすれば

    日経平均がバブル以来の最高値を更新して、日経は「もはやバブル後ではない」としたが、当に日経済がマズくなったのは、バブル崩壊後ではなくて、デフレが始まった1997年以降だ。株価が大幅に下落した後のジュリアナ東京の隆盛をバブルの頃と思ってしまうのは、1997年までは、まだ余裕があり、実際、バブル崩壊後も、消費は伸び続け、豊かさは増していた。挫折したのは、1997年からなのである。 ……… 10-12月期のGDP速報では、実質の消費が3期連続で減少し、2019年の消費増税以降の伸び率の平均が、2014年増税以降のそれを下回ってしまった。日経済は、バブルの1989年の消費税の導入時は別として、増税のたびに、消費の水準と伸び率を下げてきたが、2019年増税も、その例に漏れずである。特に、今のような物価上昇局面では、値上がり分にも課税されるので、なおさら重荷になってしまう。 バブル崩壊が日経済

    いまだ消費はデフレ後とはならず - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2024/02/26
    がんばれアベノミクス マイナス金利解除をゆるすな
  • 10-12月期GDP1次・株高のマイナス成長 - 経済を良くするって、どうすれば

    2/15に公表された10-12月期GDP速報は、実質成長率が前期比-0.1%と2期連続のマイナス成長になった。次の1-3月期も、特殊要因のサービス輸出の剥落もあり、マイナスが濃厚だ。1月の景気ウォッチャーも下がっている。他方、株価は、年初から15%も上がり、バブルの最高値を更新する勢いである。10-12月期の名目GDPは、前期比+0.3%で順調だからと言えば、それまでだが、実質と名目は、かくも乖離している。 ……… 成長には設備投資の促進が必要だと叫ばれるが、実は、足下の設備投資の水準は高い。名目GDPに占める設備投資の割合は16.7%で、アベノミクス、リーマンシッョク前、デフレ前の各ピークとほぼ同じである。デフレ前と何が違うのかと言えば、住宅投資と公共投資の割合が下がっていることで、投資全体を盛んにし、高投資の経済にしたければ、これらをテコ入れすべきだろう。 もっとも、緊縮で、公共を減ら

    10-12月期GDP1次・株高のマイナス成長 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2024/02/18
    設備投資は、現場の実感どおり、金利でなく、需要で決めるものだとすると、奇跡も、停滞も、必然的なものでしかない。
  • 異次元緩和の暫定評価 - 経済を良くするって、どうすれば

    元旦に大地震とは辛い。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げる。 この年明けは、思わぬ形で円安になったが、2024年は、円高基調の中で、どう経済を舵取りするかが焦点になるだろう。年末年始に、西野智彦さんの『ドキュメント異次元緩和-10年間の全記録』著を読み、いつもながらの綿密な取材による濃厚な筆致に感服しつつ、あれこれと考えることが多かった。 ……… 『全記録』でうかがえるのは、黒田総裁は、やはり信念の人だったということで、状況に応じて実利を得ようとするリアリストではなかったことだ。官僚らしさは、部下に任せるマネジメントやデマケへの感覚に表れていて、それらは政策を形成する重要なファクターともなっている。2022年からの円安局面において、首をかしげるような拘りは、「財務省の仕事」だったわけである。 『全記録』はドキュメントとは言え、何を書くかで価値観は出るので、巻末に「暫定評価」が置かれた

    異次元緩和の暫定評価 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2024/01/07
    『ドキュメント異次元緩和-10年間の全記録』にはリフレ派が金融政策だけでデフレ脱却ができると豪語した主張を変えていったところも描かれている
  • 合理性では答は明らかな経済対策 - 経済を良くするって、どうすれば

    賃上げのためには、売上げが伸びていかないといけない。それには、財政が賃金増の上前をはねて消費を鈍らせ、売上げを衰えさせている場合ではない。いまや、補正さえやめれば、財政は「黒字」になるところまで来ており、補正を段階的に減らしつつ、税や社会保険料の増を部分的に還元することが求められている。十年一日、「増収はすべて財政再建に」では拙い状況に変わっているのである。 ……… 8月の毎月勤労統計は、常用雇用が前月比0.0で横ばい、現金給与総額が+0.4だった。実質賃金の低下ばかりが注目されるが、雇用×時間には高まりが見られ、時間当たり給与も減ることなく、雇用×給与も高水準にある。この2か月は雇用が足踏みしたが、人手不足が強く、今後は増加が見込まれるので、それに連れて、総雇用者所得が拡大して、消費も伸長することが期待できる。 8月の統計局CTIは、名目が前月比0.0で、7,8月平均は前期比+0.5とな

    合理性では答は明らかな経済対策 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/10/13
    「恐ろしい財政赤字の拡大はデフレのせい。少子化も何もかも日銀が悪い」岩田規久男先生 「簡単だ。インフレ期待を起こせば良い。これほど簡単なことはない」山形浩生さん
  • 金利で動かない設備投資を動かすもの - 経済を良くするって、どうすれば

    金融政策では設備投資は動かない。動かすのは輸出と住宅である。需要があれば供給を増やすべく設備投資をするという平凡な理屈である。他方、増税で消費を減らせば、消費向けの設備投資が萎むから、全体としては景気が加速せず、デフレが続く。なまじ、金利が投資を調整するという教科書的知識があると、かえって、現実が見えなくなり、リフレで解決といった「宗教」に陥るのである。 ……… 4-6月期GDP1次速報のグラフを素直に眺めると、設備投資の動向が輸出によく似ていることが分かるだろう。そこで、回帰分析という手法を用いて、輸出と住宅で予測値を作ると、ピッタリ重なってくる。専門的には、2010~19年をサンプルに、コクランオーカット法でゼロ切片にすると、重決定R2が0.999くらいになる。要するに、設備投資はほとんど説明できるという意味である。 2013年の黒田日銀の異次元緩和は、円安にして、輸出を増やし、設備投

    金利で動かない設備投資を動かすもの - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/08/27
    またリフレ派の怒りを喚び起こすようなエントリを
  • 岸田政権は財政再建を達成する - 経済を良くするって、どうすれば

    政府経済見通しの年央試算が公表された。これで2023,24年度の税収を試算することができる。2023年度の名目成長率が2.1%から4.4%に上方修正されたことから、税収も上ぶれ、2023年度は前年度決算比+4.2%で3.0兆円増の74.1兆円、2024年度はそこから+3.9%で+2.9兆円の77.0兆円だ。地方の税収も国に準じて上ぶれすると、2024年度には、基礎的財政収支の赤字をなくす財政再建の目標に1年前倒しで届く形になる。 ……… 岸田政権は、特に何をしたわけでもないが、安倍政権ができなかったデフレ脱却に成功し、見果てぬ夢だった2025年度の財政再建もクリアしそうだ。「検討使」などと陰口を叩かれつつも、結果オーライである。敢えて言えば、余計な「改革」をしないで、流れに身を任せたことが勝因かもしれない。 財政再建については、近々公表される「中長期の試算」では、税収の上ブレを無視するため

    岸田政権は財政再建を達成する - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/07/25
    事実陳列罪   "岸田政権は、特に何をしたわけでもないが、安倍政権ができなかったデフレ脱却に成功し、"
  • なぜ少子化は止められないのかの答とは - 経済を良くするって、どうすれば

    少子化が進むのは、若者が結婚しにくくなったからで、結婚しにくいのは、経済的に苦しいからである。しかし、そこからは目を逸らして、結婚できた人への支援をもっと手厚くすることで、出生を増やそうと考える。子育てが大変という声は大きいが、非正規でカネがない者が「結婚できるようにしてほしい」と主張したりはしない。的を外し続けるのは、政治的な理由がある。 ……… 異次元の少子化対策は、メニューが出揃い、財源論に移っている。非正規への育児休業の拡大は入っているようだが、注目を集めるのは、児童手当の拡大だ。高校生への拡大、第3子以上への増額、所得制限の撤廃と、必要な施策とは思うが、それで出生が大きく増えるかというと、望み薄だろう。今、子供を持つか決める立場からは、高校生手当は15年後であり、第3子以上は出生の2割足らずである。まして、保育の充実は目に見えない。 少子化を緩和するには、若者の認識を変えなければ

    なぜ少子化は止められないのかの答とは - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/05/28
  • 1-3月期GDP1次・消費と株価の上昇 - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀は、日経平均が30,000円を超えたのに、利上げをせず、ようやく踏み切るのは、半年後、34,000円を超えてからになる。出遅れが響いて、一気に0.75%も公定歩合を引き上げざるを得ず、バブルは燃え盛っていた。今から35年前のできごとである。金融緩和は、物価には効きにくくとも、資産にはすぐ効く。1988年の物価上昇率は+0.5%と低く、翌年+2.3%に加速したときには、既に手遅れだった。果たして、植田日銀はどうするのか。 ……… 今週発表された1-3月期のGDPは、実質年率で1.6%と予想以上の高さだった。特に民需は年率で3.1%も伸びた。要因は、家計消費(除く帰属家賃)が前期比+0.7%と高かったことで、デフレーターが+1.3%と物価高だったにもかかわらず、名目が+2.0%もあったからだった。これで名目GDPは570兆円に達し、ピークだった10%消費増税前の2019年7-9月期の562

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    maturi 2023/05/21
  • 金融政策とはバブル潰しなのか - 経済を良くするって、どうすれば

    5/3のFRBの0.25%の利上げで、政策金利は5.25%となって、インフレへの対応も打ち止めのところまできた。確かに、物価上昇は収まってきているが、副作用の金融機関の破綻も相次いでいる。果たして、ここまで上げる必要はあったのか、そもそも、利上げには、意味があったのだろうか。主作用が乏しいのなら、副作用だけの金融政策とは、何のために行われるものなのだろう。 ……… 日銀の異次元緩和は、いくら金融緩和をしても、物価を上げられないことを証明した。それでは、逆はどうか。金融政策は、緩和も、引締めも、資産には効いても、生産には効かないのが経験則である。2022年の米国経済の動きを、ISM製造業指数で見ると、FRBの利上げと並行して、生産が低下しているが、低下は前年の半ばから始まっており、既に在庫も上昇していたから、利上げが効いたというより、自然に崩れたと見るべきだろう。 他方、利上げの後、米国の住

    金融政策とはバブル潰しなのか - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/05/15
    してない "異次元緩和は、いくら金融緩和をしても、物価を上げられないことを証明した。"
  • 4/11の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    景気が回復している。3月の基調判断は、景気ウォッチャー、消費者態度とも、上方修正された。景気ウォッチャーの現状(方向性)は前月比+1.3で、家計関連は鈍いが、企業関連、雇用関連の伸びが大きかった。現状(水準)も同様だ。現状(先行き)は前月より加速している。また、消費者態度は、前月比+2.6と高めの伸びで、ことに雇用環境が高い。ポストコロナの格化、インバウンド、賃上げなどが理由だろう。モノの輸出は停滞する中、内需主導での回復という、いつもとは違うパターンだ。予想外の高めの賃上げを受け、思いがけず景気は転換点を迎えた。 (図) (今日までの日経) 2月の旅行収支、コロナ前超え 訪日客回復で黒字に。海外勢、賃上げ期待、内需株に買い。 維新系知事、3府県に 41道府県議会で議席倍増。

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    maturi
    maturi 2023/04/11
    やったぞアベノミクス
  • 10-12月期GDP2次・住宅・公共の構成比は過去最低 - 経済を良くするって、どうすれば

    10-12月期GDPの2次速報では、実質の前期比が+0.2%から+0.0%へ下方修正された。消費の前期比が+0.5%から+0.3%に下げられたのが主な要因である。これで、2022年の四半期の推移は、-0.5%、+1.2%、-0.3%、+0.0%と弱々しいものとなり、年間の成長率は、+1.0%にとどまった。実額では545.8兆円であり、ピークだった2018年の554.8兆円とは、まだ約9兆円の差がある。コロナ前の水準は超えても、消費増税前への回復は、2年以上かかりそうだ。 ……… 最後のサプライズもなく、黒田日銀総裁は10年の任期を終える。正直、YCCの後始末をしてほしかったね。やはり、金融緩和で物価を上げられると、気で信じていたのだと思わざるを得ない。ポール・ボルカーのように、マネタリストを隠れ蓑にして、金融政策に利用するといったものではなかったようだ。官僚出身なら、そうした狡猾さがある

    10-12月期GDP2次・住宅・公共の構成比は過去最低 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/03/13
    "リフレは(略)だったというのは、そのとおりでも、では、どうしたらの答も必要であろう。それがないと、また、さまようことになりかねない。"
  • 成長のための金融と財政の連携 - 経済を良くするって、どうすれば

    10-12月期GDPの1次速報は、実質の前期比が+0.16%で、年率換算が+0.6%の成長だった。水準は、消費税前の2019年7-9月期と比べると、まだ10兆円近いギャップがあるが、名目だと並ぶところまで来ている。雇用者報酬は、名目では前期比+0.8%と順調に増えているので、今後、賃上げを通じて、消費を中心に、どこまでGDPを伸ばしていけるかだ。そうなれば、金融政策でのリフレの手仕舞いも見えてくるというものである。 日経済のGDPの読み方は、実はシンプルで、輸出の増→設備投資増→消費増という流れである。だから、輸出が見通せれば、景気の先行きが分かる。ただし、財政が消費への波及を邪魔しなければである。それゆえ、バラバラな輸出・住宅・公共を合成すると、設備投資にピッタリ重なるし、それに消費の推移が似てくるわけである。先行きは、輸出に陰りが見えるものの、足下の消費は、ここまでの蓄積で増している

    成長のための金融と財政の連携 - 経済を良くするって、どうすれば
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    maturi 2023/02/17
    ”金融政策の役割は、ハッキリ言えば、ドル円レートの管理だ”  通貨安戦争を敢然と戦い抜いて断乎勝利を掴む以外に日本がこの先生きのこる道はない。There is no alternative. リフレの唯一の功績
  • キシノミクス・再分配の設計に向けて - 経済を良くするって、どうすれば

    パート主婦の「年収の壁」を取り払うには、コラムが1/1に提案した社会保険料連動型の税還付による勤労者皆保険の実現によるしかない。1.1兆円で「年収の壁」どころか、積年の課題である非正規への差別も解消できるし、年金財政の改善で長期的な財政負担も軽く済むから、これ以上の「賢い支出」なんてない。今度は、正解にたどり着けるかな。目先の緊縮に拘って、経済も社会も財政も悪くするお決まりのパターンになるだろうけど。 ……… 12月の商業動態・小売業は、前月比+1.2となったが、前月のマイナスを埋める程度である。これで10-12月期の前期比は+1.3であるが、CPIの財が+2.2にもなっているため、除すると-0.8に落ちてしまう。それでも、消費は、物価高の割には、がんばっているように見える。統計局CTIマクロは、実質では、消費増税後の水準が天井になっているのに対し、名目では、2019年前半のピーク時を超

    キシノミクス・再分配の設計に向けて - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/02/06
  • 1/11の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    11月の統計局CTIマクロは、前月比-0.2だった。物価高もあり、消費は冴えないね。12月の都区部CPIは前年同前月比で+4.0%に達した。巨額の補正予算でも、ガソリン補助のような政策は、良くも悪くも効果が薄い。エコな家電・車への補助のような政策は、効き目があっても、需要の急増急減で業界を弱体化させたりする。少子化対策のように、「急増」が望まれるところに打つのが正解だが、補正予算は、そのとき限りのものという自縄自縛があって、そうもいかない。結局、来年も補正はやめられず、恒常化していても、タテマエが現実を見えなくしている。 JIJIの「アベノミクスブレーンたちの高揚、そして…」を読んだが、リフレ派が緊縮を看過していたのは、それを大事だとは考えていなかった証拠だと思うね。オールドケインジアンの筆者は、ちゃんとウォッチしていたよ。異次元緩和の円安に、輸出がもっと激しく反応していたら、緊縮を乗り越

    1/11の日経 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/01/14
    ”異次元緩和の円安に、輸出がもっと激しく反応していたら、緊縮を乗り越えていた可能性もある。(リフレ親和的な)エコノミストの見立ては、そっちが強かった。”
  • キシノミクス・2023年の経済政策の課題とは - 経済を良くするって、どうすれば

    明けて今年は、黒田日銀総裁の交代が確実視されていて、金融政策の最大の課題は、リフレの後始末ということになろうか。円安が進んだときにやっておけば良かったものを、機を逃してしまったので、苦労するような気がする。そして、財政の最大の課題は、大幅に増えている税収によるデフレ圧力をいかにかわすかという贅沢な悩みになる。課題も悩みも見えてない人が多いだろうが、それがリフレの失敗の原因でもある。 ……… 経済政策に限らず、失敗に学ぶのは大切だ。リフレをやってみて、どれほど大規模に金融緩和をして、投資促進の成長戦略と組合せても、需要管理が疎かでは、経済を満足に成長させられないことは、良く分かったと思う。それが分かっただけでも、大きな成果である。もっとも、経験に学ぶという愚者の成果すら得ていない人も結構いるようなのが、やや残念ではある。 他方、需要管理の使い方は、なかなか難しいというのも大事な教訓だ。米国は

    キシノミクス・2023年の経済政策の課題とは - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2023/01/09
    ”失敗に学ぶのは大切だ。リフレをやってみて、どれほど大規模に金融緩和をして、投資促進の成長戦略と組合せても、需要管理が疎かでは、経済を満足に成長させられないことは、良く分かったと思う。”
  • 経済対策は何をするものなのか - 経済を良くするって、どうすれば

    第2次補正予算が閣議決定された。予備費分を除いた国債の増額は18.1兆円であり、名目GDP比で3.3%にもなるので、全部が直ちに需要に上乗せされたら、日経済が暴走しかねない規模である。しかし、いつものごとく、誰も、そんなことは心配しない。安心できると言うか、甲斐性がないと言うか、効きの悪い経済対策は何のためにしているのかなと、毎度、考えさせられるのである。 ……… 経済対策の効きの悪さは、理由の一つは所得移転の多さだ。電気・ガス、燃料油の値上がり分の一部を補填するのに6.1兆円が充てられる。値上がりで実質所得が削られるのを軽減し、現状の低所得層の消費や高所得層の貯蓄を減らさないようにするだけだから、効いてはいるけど、見えにくい。これが国債増額分の1/3を占めており、需要の上乗せでなく、維持なので、成長が加速されるものではない。 次に目立つのは、投資の促進で、6兆円ある。直近のGDPの民間

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    maturi
    maturi 2022/11/15
  • 門間一夫さんの愉快な床屋談義 - 経済を良くするって、どうすれば

    門間一夫さんの『日経済の見えない真実』の中で、最も感慨深かったのは、サービス業の代表として散髪を例に挙げ、需要が生産性を伸ばすことを分かりやすく説明したところ(p.101-3)だった。世間では、この「真実」が分かっていないために、緊縮財政で消費を抑圧しつつ、投資を産業政策で促進して、成長を向上させるという、分裂した戦略が、相反を知らぬまま、推し進められている。成功しない戦略にしがみつく姿は痛々しいほどだ。 ……… 経営者からの「労働生産性を上げるには、どうすれば良いのか」という相談に、「賃金を上げることですね」と答えると、「何を言ってる」みたいな顔をされる。エコノミストとしては、賃金は付加価値になるから、当然の答でしかないが、経営者は、付加価値ではなく、モノやサービスの数量を増やすことをイメージしているので、ちょっと間抜けなやり取りが生じてしまうのである。 例えば、美容室の労働生産性を上

    門間一夫さんの愉快な床屋談義 - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2022/10/17
    ”ここで大事なのは、投資ではなく、消費が成長をもたすという「真実」だ。”
  • 重要だけど道遠い財政のコントロール - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀出身の門間一夫さんが『日経済の見えない真実』の終章に「重要性を増す財政の役割」を持ってくるとは、少し意外だった。財務省の領分は犯さないのが日銀の不文律だと思っていたのでね。むろん、門間さんの主張は、必要だし、正しい。マクロ経済を運営するのに、金融政策と需要管理は車の両輪で、独立して行うのは無理があり、日銀が財政に対して主張することは、政策的な意義がある。 ……… 2014年の異次元緩和第2弾は、巷間、消費増税を促すものだと言われた。2%の物価目標を達成したいのであれば、日銀は、消費を弱める増税を諫めるべきだったろう。「財政再建がなされなければ、金利が上昇に向い、金融緩和の効果が失われる」というロジックは、現実味の乏しいものだった。もちろん、財政とは関係なく、日銀がやれることをやるというのも、一つの在り方ではある。 もっとも、財政金融を整合させる以前の問題として、門間さんが提言するとこ

    重要だけど道遠い財政のコントロール - 経済を良くするって、どうすれば
    maturi
    maturi 2022/10/10
    ”必要なインフラがないために、調整しようにも手段に困るのが現状である。いきおい、効果の薄いバラマキをしてしまうことになる” バラマキだいすき民(=財務省・麻生が悪いマン)の怒りが有頂天に