第15回 「補助輪付き自転車」もところ変われば呼び名も変わる 関西の大型スーパーをぶらぶらしていた時のことである。自転車売り場を通りかかると、「コマ付き」という表示が目に留まった。仮面ライダーの乗り物に似せた子供用自転車かと思いきや、その表示の下には補助輪付き自転車が数台並んでいたのである。まだカメラを持ち歩く習慣のなかったころの話で、証拠写真が無いのがいささか残念である。 共通語では「補助輪付き自転車」とか「補助輪付き」「補助付き」などと堅苦しい言い方しかできないが、コマツキとなれば小さな子供にも馴染みやすい。練習を重ねると、「コマ無し乗れるんやぁ」などと大人たちに感心されるのである。コマツキを使う地域は、大阪、奈良、和歌山、兵庫を中心とした関西圏だ。隣接する岡山や香川、徳島にも広がっているらしい。「車輪」のことをコマという地域とほぼ一致する。同じ関西圏でも、京都、滋賀ではタマツキとも呼