田野大輔(甲南大学教授) 写真:ユダヤ人商店に不買呼びかけのポスターを貼る突撃隊員(Bundesarchiv, Bild 102-14468 / Georg Pahl / CC-BY-SA 3.0) 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、日本でも緊急事態宣言が発令され、外出や営業の「自粛」が要請された。そうしたなか、営業を続ける飲食店に脅迫電話をかけたり、公園で遊ぶ子どもの学校に苦情を入れたりするなど、「自粛」の要請に従っていないように見える人たちへの過激なバッシングが多発した。 緊急事態宣言下の日本で、こうした「自粛警察」「コロナ自警団」と呼ばれる動きが広がったのはなぜだろうか。人々が感染拡大防止のために自発的におこなったと思われるこれらの行動の拡大には、どういう力が働いたのか。 「自粛警察」はファシズムか 「自粛警察」と呼ばれる動きが問題になって以降、筆者のもとにはそれが広がった原因
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