かつて、キャプテンハーロックや銀河鉄道999等の著作を持つ漫画家の松本零士先生が、 東大名誉教授の竹内均氏の監修で「無の黒船−CRISIS?−」という作品を世に出した事がある。 無の黒船。無、つまり0(ゼロ)。 この作品の中でこの0が指すのはエネルギーが0という状態。 現代(作品内設定では1999年)の日本からエネルギーが無くなる状態の時、日本に何が起こるのか? それを先生は第二次世界大戦に続き、第三のクライシス(危機)が訪れるとして奇抜ながらも中々興味深いストーリーで描き、ささやかな問題提起としている。 この作品のタイトルである無の黒船とはつまり、 日本に訪れる「エネルギー資源がまったくのゼロ、無!」という状態そのものを指す。 つまり黒船とは外敵の戦艦ではなく、日本に訪れる「危機」をかつて幕末の日本を激動させた「黒船」に見立てた比喩表現だ。 私はこの表現は素直に上手い、と思った。 今でこ