僕は嫉妬していたんだ。もう認めざるを得ない。 友人と山を歩き、今までの友人の山行話を聞いて、四季を通じて僕よりもずっといろんな山に登っている事に対して。それは今回一緒に歩いた友人だけではなく、他の友人に対しても、遠方の山に登れる事、泊りで縦走出来る事、高価な装備を購入出来る事、そしてその行動力に嫉妬していた。穏やかに平静を装って居ながら、内心は醜く嫉妬している。彼らに対して唯一僕の方が一歩抜きん出ている事が有るとすればそれは「体力が有る事」だけで、だからがむしゃらに歩こうとするんだろう。何とか彼らに追いつこうとして。だけどがむしゃらにひたすらに歩いたって離れるばかりで、一向に追いつけない。 それなら、自分も遠方の山に登れば良いじゃないか。泊りで出掛ければ良いじゃないか。と思うんだけど、独りで出掛けるのはコスパが悪い。かと言って仲間と行動出来るほど自由でもない。家族に無理を言って週末にわざわ