当区域の中川筋には「平井の渡し」「逆井の渡し」「中川の渡し」の三つの渡船場がありました。このうち逆井の渡しは元佐倉道の渡し場で竪川通りに通じるものです。護岸工事のため往時をしのぶことはできませんが、元佐倉道から竪川通りへ通じる地点は、ほぼ旧位置を推定できます。歌川広重(1797~1858)の『名所江戸百景』(1856~58年)にも描かれています。 明治12年(1879)ほぼ渡しの跡とおもわれる位置に逆井橋が架けられました。亀戸・小松川両村による架橋で、その費用を補うために橋銭(通行料金)が徴収されています。明治27年(1894)に橋銭の徴収は終わり、明治31年(1898)には東京府によって架け替えられました。昭和43年(1968)に鉄橋に架け替えられています。撤去した木造の親柱が郷土資料室にあります。現在の逆井橋は平成11年(1999)の架橋です。 江戸川区登録史跡・史跡 小松川2丁目11