P値は帰無仮説検定の基本として広く利用されており、統計学的妥当性を見るための「至適基準」と言われてきました。しかし、P値の利用と、<0.05という棄却域(P値が0.05未満の場合、帰無仮説を支持しない強力な証拠と考える)に対して批判的な専門家も多く存在します。値の操作が容易で、脆弱なデータを支持するために利用されているというのがその理由です。P値に否定的な研究者は、P値は「当てにならない」、すなわち再現性が高くないという事実も指摘しています。 議論の余地はあるものの、P値は数多くの研究に利用されてきました。P値の利用に伴う諸問題を考慮した社会心理学系のジャーナル、Basic and Applied Social Psychology(BASP)は、帰無仮説有意性検定およびそれに類する統計学的処理を禁止すると発表しました。この新方針について、同誌編集者のデイビッド・トラフィモー(David