アレシナの黄金律~我が国財政再建への示唆~ 「アレシナの黄金律」ということばをご存じだろうか。財政学に携わったことがある人ならばご存じの方も多いことと思うが、米ハーバード大学の政治経済学者であるアルベルト・アレシナ教授が、1996年に発表した論文で唱えた有名な財政再建成功のための法則である。 アレシナ教授は、1960年から1994年の35年間のOECD加盟20カ国の財政データを用い、財政再建に成功した国と失敗した国の要因を検証した。 アレシナ教授によれば、財政再建に成功した国は、歳入拡大よりも歳出削減に力を入れているのに対し、財政再建に失敗した国は、歳出削減よりも歳入拡大に力を入れていると言う。これは、日本の財政再建のあり方を考える上で、非常に興味深い示唆を提示していると言える。 アレシナ教授の財政再建成功の法則(「アレシナの黄金律」)は、以下の2点に要約される。 ① 歳出削減と歳入拡大の