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ブックマーク / yako.hatenadiary.jp (27)

  • デンジャラス・バディ - 双子座殺人事件

    今年一番楽しみにしてたと言っても過言じゃない、サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーのバディもの。ニューヨークのFBI捜査官アッシュバーンと地元ボストンの刑事マリンズのコンビが…って、やっぱり役名じゃなくサンドラ&メリッサと書く(「役名」の方は二人とも「苗字」なんだな) すごく大したことある映画、じゃないんだけど、とても幸せな気持ちになれたので、今年のベストテンに入れようかな。まずセリフのセンスが超好みで、二人のやりとり「髪留めを外せば」「あなたもしてる」「てっぺんにするのは普通」なんて、文字にすると他愛なさすぎるけど、にやにやしちゃう。 メリッサの口から出てくる全てが最高。脳味噌フルスロットルの女を見る気持ちよさ。日で言う「女子力」なんてくそみたいなもんにエネルギー割いてたら生じない快感だ。 オープニング、二人の人となりが描かれる。仕事中に「サイン」を使うが通じず「マニュアルを読ん

    デンジャラス・バディ - 双子座殺人事件
  • 神様メール - 双子座殺人事件

    何とかの何とか添え、何々ふう、というんじゃなく、色んなものを楽しげに盛り付けたお皿に顔を突っ込んでむさぼっているような、そんな感じがした。始めは楽しいけど、後半ちょこっとだれてしまった。 映像は「斬新」ではなく、どこかで見たものの組み合わせ、って貶しているのではなく、こんな時に私は、昔TVチャンピオンのファストフード王がマクドナルドとモスのハンバーガーについて語った言葉を思い出す、材料も鮮度もそう変わらないけど、ってそれが当か否かは知らないけど、「新鮮」とは使い方如何なのだと。お話を彩るエピソードもどこかで見たようなものが多いけれど、それはこれが「映画映画」(「神」(ブノワ・ポールヴールド)が映画が在れとしている映画)だから当たり前なのだ。 これは「娘が悪い父親から逃げる」話である(エンディングに流れる主題歌「Jours Peinards」のその通りの歌詞にも字幕がつく)主人公の少女エ

    神様メール - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
    「君がくれたグッドライフ」
  • 岩館真理子 / くらもちふさこ - 双子座殺人事件

    見上げてごらん (クイーンズコミックス) 作者: 岩館真理子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/11/19メディア: コミック購入: 7人 クリック: 47回この商品を含むブログ (39件) を見る 駅から5分 1 (クイーンズコミックス) 作者: くらもちふさこ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/11/19メディア: コミック購入: 9人 クリック: 51回この商品を含むブログ (122件) を見る ともに2年かけての1冊。同じ日に発売になるなんて。 岩館真理子とくらもちふさこは、正反対の少女漫画家である。私にとっては、前者が魂のパートナー(と思わせられてしまう)であり、後者が魅力に抗えずズルズル会ってしまう彼。前者は私の極めて個人的なところを掴んでくるが、後者は私を「ふつうの女のコ」として扱い、天才的に気持ちよくさせてくれる。 「見上げてごらん」は、小さな千里子と「

    岩館真理子 / くらもちふさこ - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
    くらもちふさこは弥生美術館で展示されたので、次は岩館真理子を見たい(あるいはもう済んでいるのかも
  • カテリーナ、都会へ行く/来る日も来る日も/歓びのトスカーナ - 双子座殺人事件

    イタリア映画祭2017にて、パオロ・ヴィルズィ監督の今夏公開予定「歓びのトスカーナ」と過去作を計三観賞。 ▼「カテリーナ、都会へ行く」(2003)はチョークの音に始まる。だらだらと板書を続ける教師のここでの授業は今日で終わり、しかし生徒達は最後っ屁も気持ちよくさせてくれない。ローマへの異動願いが叶い、自身の母校に通う娘の人脈をあてに自らは期待もしない学校に勤めるとは妙な気もするが、考えたらそういうことってある。終盤にぶち切れて言うように「仕事に満足感も得られない」なら、教員だって仕事に行かなくなり姿を消してしまう、そういう物語も誠実でいいと思う。 始めのうち、こういう父親、いや男っているよなあと思いながら見ずにはいられなかったけれど(「親と一緒に過ごすなんて嫌だよなあ」と言いつつの「俺はまだ若い」/「なんて聡明なんだ」と誉めた子に「子どもは所有物じゃない」と言われての激怒)、彼が娘のカテ

    カテリーナ、都会へ行く/来る日も来る日も/歓びのトスカーナ - 双子座殺人事件
  • 勝手にふるえてろ - 双子座殺人事件

    私がこれまで最も「これは自分だ」と思った登場人物の一人は「(500)日のサマー」のサマーなんだけれども、この映画でも、「主人公が恋する(認識する)相手」であるところのイチ(北村匠海)に自分を重ねそうになる瞬間があった。でもこの話はそちらにはさほど行かない。彼にも事情があることは示されるが、その真面目さの種類や度合いは明かされない。 イチを「天然王子」、「生まれながらの…」存在として捉えるヨシカ(松岡茉優)は、「視野見」でしか彼に接してこなかった。「透明」でいることは寂しいのと裏腹に卑怯でもある。「何故かな、君だけが僕を見ていないことが気になって」ってそりゃそうだ、えっ俺ずっと「対象」の側なの?ってことだろう。少なくとも映画からはそう読める。 誰かの頭(髪)を触るという行為がいかに重大なものであるか、それをするのに互いの意思がいかに大切であるかという(そのことに色々なことを託している)話でも

    勝手にふるえてろ - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
     ホモサピエンスの脳の止めること能わざる働き「私が今目の前にしているコレはかつて見聞きしたアレに似ている」あるいは アポフェニア
  • 岩館真理子「おいしい関係」 - 双子座殺人事件

    住所登録義務も撤回されたことだし、今後もはてなにお世話になろうかな、と思ってるのですが、今のうちに、私にとって永遠に特別な漫画、岩館真理子の「おいしい関係」とその続編「週末のメニュー」について書いておきます。「ひとりマンガ夜話」ってことで(笑) (腰入れて書くとかなり長くなりそうなので、後々ファンサイトにちゃんとしたものをアップする予定、として、今回は簡潔にまとめられるよう、がんばってみる…) 「おいしい関係」「週末のメニュー」は1984年の週刊マーガレットに連載、単行はマーガレットコミックスとして全2巻+1巻で発売されています。かなり古いものを除き、週マ時代の作品はほとんどが90年代後半に自選集として文庫化されていますが、これらに関しては、人に意思がないようで、いまだそのめどはありません。角川文庫「わたしたちができるまで」の自作解説でハッキリ「駄作」と言い切ってるので、これからも見

    maturi
    maturi 2022/11/12
     今は電書で読める由|それはそれとして、同じ集英社から同じタイトルで別の漫画家が同じく女性向け作品を連載するってどういうシステムだったんだろう(槇村さとる)
  • (500)日のサマー - 双子座殺人事件

    試写会にて観賞。公開されたらまた、ちゃんとした?感想を書くかも… 人間の性分について考えさせられ、映画としても面白いという、素晴らしい作品。 観終わって、同居人が「○○(私)みたいな人が、外国にもいるんだ〜」と笑う。 「boy meets girl」…だけど、恋愛ものじゃなく、恋愛についての物語。 「運命の恋を信じる」トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、入社してきたサマー(ズーイー・デシャネル)に一目惚れ。何となくつきあい始める二人だが、関係の認識具合のズレが、トムを悩ませる。 予告編に何度も遭遇しながら、映画を観るまで思い出さなかったことがある。高校一年の時、現国の授業で、各々がテーマを決めて皆の前で発表するという課題があり、私は「運命なんてものはない」ということを主張した(今考えると恥ずかしい)。そうしたら、私の好きだった男の子は、意見を書く藁半紙に、大きな字で「僕は、運命はある

    (500)日のサマー - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
     「男女逆のキャラクターだったら、非難轟々だろうな…」
  • ル・アーヴルの靴みがき - 双子座殺人事件

    公開前日、特集上映「おかえり!カウリスマキ」で、「ル・アーヴル」の前日譚とも言える「ラヴィ・ド・ボエーム」('92)を観る。スクリーンだと、マッティ・ペロンパーの視線や唇の左端の微妙な動き、壁面に映る影、小物や通りの名前などがはっきり見え当に楽しい。ショナールが車を買った時、キーにエッフェル塔着けてるの、初めて気付いた! 観賞後「ル・アーヴル」の予告編を思い返し、アンドレ・ウィルムスの大きくなった腹部に、あの頃から今までの穏やかな日々がつまってるように感じ、あたたかい気持ちになった(この印象は実際に「ル・アーヴル」を観た後、ちょこっと変わる)。 「常識は忘れよう、希望を持つんだ」 フランスの港町ル・アーヴル、マルセル・マルクス(アンドレ・ウィルムス)は「みがき」をしてアルレッティ(カティ・オウティネン)と暮らしている。いわく「人の身近にいられる職業は羊飼いと磨きだけ」。通行人の足元

    ル・アーヴルの靴みがき - 双子座殺人事件
  • イップ・マン 継承 - 双子座殺人事件

    オープニングタイトル、木人椿と向かい合うイップ・マン=ドニー・イェンの様子に、奇妙なほどの豊かさを感じた。まるで過去と未来とが共にあるようだった(見終わると、物語の「その後」なのだと分かる)。 その姿の醸し出す、「一人」だが「一人」でないという空気こそ、終盤にウィンシン(リン・ホン)が口にする「あなたはあなたに属しているが他のものにも属している、家庭にも、この場所にも」ということである。彼女にそう言われる場面までイップが木人椿に触れる場面がないのは、映画的な省略ではなく、ウィンシンが言うように、実際に彼が「離れていた」からである。 (その時には)いつなんだか分からないイップの木人椿うちの後、まず武術を見せるのはイップとチョン・ティンチ(マックス・チャン)の息子達(途中からただの殴り合いになるのが可笑しい)、それから私達がその行く末を確実に知っている、後のブルース・リー(チャン・クォックワ

    イップ・マン 継承 - 双子座殺人事件
  • 最近見たもの - 双子座殺人事件

    ▼ロード・オブ・カオス ネタだよネタ、が通じなかったという意味では昨今の色々を想起させるのと同時に、普遍的なものなんだろうか、男性の青春が描かれている。まずは同性との関係を上手く築けない男性の話である。終盤恋人に「競争意識があるんじゃ」と指摘されるように、ユーロニモス(ロリー・カルキン)は序盤の「友達じゃねえ」を始め、男達の中での自分の立ち位置ばかりを考え友達など必要なもんかと意地を張り続けている。 印象的だった場面が二つ。一つ目は釈放されたヴァルグ(エモリー・コーエン)とユーロニモスが対峙する場面。映画は全編通じてユーロニモスのナレーションで紡がれるが、人による吐露と共に見ている私達に映る彼と作中の人々に映る彼とは違うのだとここでふと気付いた。恐ろしいことだけど、そうなのだ、他人には外からの姿が全てなのだ。二つ目は人が他人を刺す場面、一度目はその衝撃が有効だったけれど、その二度目、早く

    最近見たもの - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
    カウリスマキ 世界で一番しあわせな食堂
  • パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト - 双子座殺人事件

    あまりの腕前に「悪魔に魂を売った」と噂されたという19世紀イタリアのバイオリニスト、ニコロ・パガニーニをデヴィッド・ギャレットが演じる。 バイオリンの流麗な音…ぶちょっとした少年が、開いた窓の前で演奏している。座って聞く男が「誰の曲だ?」、少年が「自分で作った」と答えると怒って叩く。終盤、パガニーニが自分の息子を叩いた(と息子が言う)家庭教師を狂ったように追い出す場面に、作中最も「感情的」と言ってもいい音楽が付くのもさもありなん。もっともこの映画BGMが盛り上がる場面は総じて、「音楽でそこまで説明する必要は無いだろう」という感じで笑ってしまう。 長じてオペラの幕間に「ご機嫌を取る」パガニーニを、関心の無い客達の奥から見つめる男が一人。「魔王」のテーマに合わせて、ウルバーニ(ジャレット・ハリス)の左右不対象な瞳が不気味に映る。ステージ前方に出るのにパガニーニが掻き分ける幕の重量感、彼の顔を

    パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト - 双子座殺人事件
  • 親愛なるきみへ - 双子座殺人事件

    公開三日目、新宿ピカデリーにて観賞。満席だった。今年のアマンダ映画はどれも大入り。上映館が少ないのかな? 2001年、チャールストンの海辺で出会ったサヴァナ(アマンダ・サイフリッド)とジョン(チャニング・テイタム)の物語。911を機に二人の関係に変化が起きる。 原作小説は未読、監督にラッセ・ハルストレム。5年前の作品ながら今年公開された「ザ・ホークス」は面白かった(感想)。それほどじゃないけど、こういう作品を映画館で観られたら満足。 冒頭、サヴァナが座ってる所に隣人ティム(ヘンリー・トーマス=「E.T.」のエリオット少年)の息子がやってきて、去っていく様子がとても自然で…「自然」ならいいのかって話だけど、とにかく感じが良くて、更にその後、父親の言葉を真似てはしゃぐ場面の輝きには驚愕。ああいうのが撮れるってすごい。 二人は出会った傍から惹かれ合うが、サヴァナがジョンに対し「あなたのお父さん(

    親愛なるきみへ - 双子座殺人事件
  • ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版 - 双子座殺人事件

    公開初日、TOHOシネマズシャンテにて観賞。 来月公開される「GODZILLA」のオリジナルグッズのドリンクカップを同居人が購入。終映後に明るくなってから、思わず、大変だったね〜と背中を撫で撫でしてしまった(笑) 「ゴジラ」を自宅のしょぼいテレビでしか見たことがない私は比べるべき「元」を知らず、「デジタルリマスター」による変化が分からなかった。でもオープニングの音楽とゴジラの咆哮はすごかった!全編に渡って、セリフがはっきりと聞き取れるのも嬉しかった。 60周年かあ、と思いながら見てたんだけど、私が初めて劇場で見た「E.T.」は84年に公開されたから、「ゴジラ」と「今」のちょうど中間の映画なのかとふと気付いた。確かにそんな感じだ、と思う(後で教えていただいて確認したら「E.T.」は82年公開だった、まあ中間「位」ってことで・笑) 「模型」の街並も楽しいけど、当時の東京がスクリーンで見られるの

    ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版 - 双子座殺人事件
  • バトルシップ/ジョン・カーター - 双子座殺人事件

    テイラー・キッチュ主演作二、前者はユニバーサル映画100周年、後者はウォルト・ディズニー生誕110周年のそれぞれ記念作品。 「バトルシップ」は予告編もつまらなければ、編始まって数十分?の主人公紹介のくだりも死ぬほどつまらないのでどうなることかと思いきや(なぜ観に行ったんだって感じだけど・笑)、アレが落ちてきてからは面白かった。ちょっとダレると巻き返してくる。 何といっても設定がいい。バリア内に取り残された駆逐艦!敵については、「生命体」よりもマシンのほうが「人」っぽいのが可笑しい。ホース巻いたようなやつが、最後っ屁みたいに攻撃して去ってくとか。 でも駆逐艦好きの私にとって一番の見どころは、データ読みながら攻撃していくくだり。この映画では浮いてたかもしれないけど、海戦ものには、艦内がしんとなる、息詰まる場面が欲しいもの。 冒頭の「泥棒」場面のBGMに、ユニバーサル100周年記念だから自社

    バトルシップ/ジョン・カーター - 双子座殺人事件
  • アジョシ - 双子座殺人事件

    バルト9にて公開二日目に観賞。スクリーンが小さいこともあってか満席続きのよう。 楽しかったけど、期待してたほどじゃなかった。登場人物が多すぎ、話が複雑すぎていまいち入り込めず。さらわれた!→うぉー!→皆殺し!→涙がぽろり、ってだけでいいのに。 冒頭、ウォンビンとキム・セロンの触れ合いが長々と描かれる。ウォンビンが買ってきた花(後で意味が分かる)をセロンが花瓶に活けると急に怒鳴って取り上げるなど、漫画みたいな描写が多いこともあり、少々飽きてくる。 生々しい「悪」が次から次へと出てくる。皆イイ顔なので…イイ顔すぎて飽和状態になり勿体無いばかり。キム・ソンオ演じる「弟」は、最近じゃ「探偵はBARにいる」の高嶋弟と並ぶ直毛変態系悪役だ。白い粉!トイレ!とオモシロ要素満載なのに、どれもおざなりなのも残念(粉は違う国か・笑)。 ハリウッドぽいこなれた映像から滲み出る韓国風味。冒頭、セロンの母親が車に乗

    アジョシ - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
     GYAOでたまに無料
  • スカイライン −征服− - 双子座殺人事件

    バルト9にて観賞、土曜の夜の回は満席。 「SFもの」ということしか知らずに観たけど、面白くって驚いた。私にとっては全てが、これ以上ないほど「的確」だった。 もっとも、楽しめた理由としては「『宇宙』『クリーチャー』に興味やセンスがないので造形その他が目に入らない」「普段あまりSF映画を観ないので「既視感」がない」というのも大きいかも(笑) とくに今こんなこと言うの不謹慎だけど、昔から、家の中に閉じ込められて出られないっていう状況に多大なロマンを感じる。だから、高層マンションに篭城というチープな設定がたまらない。得られる情報はブラインド越しに盗み見る視界のみ、テレビの中には無人のスタジオ、遠くのビルの屋上に何だか分からないけど立ってる男達、全てがツボ(「ミスト」じゃ色々想像しすぎちゃうってもの・笑) 外の「脅威」は何だっていいのだ。部屋の中を探る手?、逃げる人間を捕まえる舌?、駐車場から出よう

    スカイライン −征服− - 双子座殺人事件
    maturi
    maturi 2022/11/12
     また見たい
  • 心霊ドクターと消された記憶 - 双子座殺人事件

    予告編のとあるカットから、スピルバーグの「幽霊列車」(ドラマ「世にも不思議なアメージング・ストーリー」の一篇、大好きで何度も見た)と同じ「ネタ」を扱っていると分かり、どのように扱うのかと思っていたら、「子ども」が主人公であるそちらの短編らしい切り取りぶりと違い、こちらはそれこそ列車のように、長くくねりながら走ってゆく、いや戻ってゆくのだった。主人公はに「前に進まなきゃ」と言うが、彼にとっては「戻る」ことが「進む」ことであった(原題は「Backtrack」=元来た道を引き返す) (以下「ネタバレ」しています) 冒頭、目覚めるエイドリアン・ブロディ、演じるピーターの表情に、オープニングタイトルの不穏な映像を夢で見ていたのかと思う(後にそうだと分かる、映像はブリューゲルの「鳥罠のある冬景色」を元にしている)。隣で眠るが苦しそうな声をあげる。後で振り返ると、彼女は窓の外の自転車と雨の気配にうな

    心霊ドクターと消された記憶 - 双子座殺人事件
  • 殺人者の記憶法 - 双子座殺人事件

    一番心が高揚したのはキム・ビョンス(ソル・ギョング)とミン・テジュ(キム・ナムギル)の一騎打ちという「クライマックス」。随分「映画映え」する話の中、こんなところで興奮するなんて単純だなあと思いながら見ていたけれど、振り返ってみれば、例えば「キングスマン ゴールデン・サークル」の冒頭いきなり始まるアクションは意味が分からずあまり楽しめなかったっけ、翻って作のあれこそが私好みの、文脈に文脈を重ねたアクションなんだなと思う。 私にとってこの「クライマックス」を支える文脈とは、この映画において主人公ビョンスが倒さねばならない対象は、記憶が個人のアイデンティティであるならば、それを操作しようとするやつ、「他人の日記を書き足したり一部消去したりするやつ」だということである。あの廃屋は彼の脳内の(作中大きな文字で出る)「メタファー」とも言える。また彼の記憶を引き出そうと日々気遣うビョンマン署長(オ・ダ

    殺人者の記憶法 - 双子座殺人事件
  • 殺人鬼から逃げる夜 - 双子座殺人事件

    手話話者が活躍する映画が増えている中、作はいわば伝統的な、マイノリティがそこにつけこまれて狙われる作品。予告からは分からなかった要素やひねりが面白かった一方、男が女を襲って(男性も手に掛けていたようだけど)男が助けることになるという展開に、まじで迷惑すぎ!という感情が先立ってしまった。異なる言語が出てくる映画としては、冒頭の娘と母(チン・ギジュ、キル・ヘヨン)の丁寧な生活描写もよかったし、違う言葉を使う者は同じ場所に居てもレイヤーが違うというようなことをよく思うものだけど、特に自宅での場面などそれがよく表れており見がいがあった。 韓国映画・ドラマにままある(特に父親不在の家庭において)兄が家長として家族を管理している描写が冒頭に置かれており(多分にもれずそれを楽しげに描いており)少々うんざりしながら見始めたら…まあこれは外で殺人鬼が跋扈していることの前振りとして見ることもできるわけだけど

    殺人鬼から逃げる夜 - 双子座殺人事件
  • 君だけが知らない - 双子座殺人事件

    病院で目覚めたスジン(ソ・イェジ)を「夫」のジフン(キム・ガンウ)が車に乗せてゆく道のりが荒涼とした何かの中に潜っていくように見えたものだけど、着いた先は開発途中らしき荒地の中に建つ新しいアパート。やがてそこはいわば記憶の塔となる。「知らない」とは地に足がついていないような不安なものなので記憶を失った彼女はそこを歩き回るが、その外にいる信頼できる人々を演じるのが韓ドラ馴染みのヨム・ヘランやペ・ユラムといった地に足のついていなかったことのない面々なので(そういう役を血肉にすることのできる面々と言った方がいいかな)温かい気持ちで見ることができた。 (以下「ネタバレ」あり) 見ながらふと、ハ・ジョンウ演じる主人公が子どもらを傷つける大人達の責を一手に背負う「クローゼット」を思い出した。こちらでは一人の女に暴力を振るう男達の責をキム・ガンウ演じるオッパが全て引き受けているわけだ。しかし第一にそれは

    君だけが知らない - 双子座殺人事件