長時間労働の是正は、企業にとって喫緊の課題だ。電通で発生した過労自殺もあり、社会的な関心は高まる一方。IT企業各社も残業時間の削減に取り組んでいる(関連記事:“ブラック業界”から脱却できるか、IT大手に残業時間を緊急調査)。 しかし、長時間労働の話になると決まって出てくるのは「好きな仕事ならいくら働いても苦にならない」「仕事を通じて達成感を得られれば疲れも吹き飛ぶ」「自身の成長のためにもっと働きたい人もいる」「パワハラなどがない働きやすい職場であれば十分」といった、労働時間の制限に反対する意見だ。 筆者はこの考え方は危険だと考える。好きな仕事をしていたり、達成感や成長を実感したりすると、確かに「疲労感」は吹き飛ぶ。ただ、これはあくまでも脳が「疲れているという感覚」を認識しなくなるだけ。疲れは体を蝕んでいる――。 筆者はちょうど1年前、日経SYSTEMS 2015年12月号で「ここ一番にダウ
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