中国・南宋時代の茶碗(ちゃわん)で国宝の「曜変天目(ようへんてんもく)(稲葉天目)」を模したぬいぐるみが話題を呼んでいる。東京・丸の内の静嘉堂(せいかどう)文庫美術館のミュージアムショップで販売されているが、10月の発売直後から注文が殺到し、現在は予約停止中だ。なぜ国宝の茶碗をぬいぐるみにしようという発想が生まれたのだろうか。 【写真】本物の「曜変天目」 ぬいぐるみと見比べてみる ◇貴重過ぎて使えない名品 東洋古美術を中心に約6500件を収蔵する静嘉堂文庫美術館。三菱財閥の2代目総帥の岩崎弥之助と4代目の小弥太父子ら岩崎家のコレクションを基礎としており、その中でも曜変天目(稲葉天目)は人気が高い。 曜変天目とは、南宋時代(12~13世紀)に中国で作られた黒釉(こくゆう)茶碗で、焼成時の釉薬の変化で大小の斑紋が現れているのが特徴だ。完全な形で現存するのは、世界で三つしかないとされ、いずれも日